ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

練習が必要な人間ほど練習しない

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「練習が必要な人間ほど、練習しない」...ベン・ホーガン。

ベン・ホーガンと言えば、メジャー9勝、ツアー64勝の名ゴルファーとして有名。
だが、それよりその人間性の「生真面目さ」と言うか、「頑固さ」というか、「厳格さ」というか...
自分のペースを決して曲げない変人ぶりの方が有名かもしれない。
彼の自分に強烈に厳しくストイックな生き方は、並の人間にはとても真似出来るものではない。

ただこの言葉、普通の世界なら「もっともだ!」と共感を持って語られる言葉なはずだけど、こと日本のゴルフに関しては「?」マークがつく。
だって、日本の一般ゴルファーの練習好きと言ったら...雨の日も、嵐の日も、雪が降っていたって練習場で練習している人は多い。
練習代が高い練習場はさすがに人の数は多くないが、「1時間打ちっぱなし」とかが安い練習場はいつだって順番待ちが出来ているほど一杯だ。

だから、あえてベン・ホーガンの名言だけど異を唱えることにする。
「練習が必要な人間は練習するのが好きだけど、必要な練習をしてる訳じゃない」
練習場で見ていると、殆ど全部の人間が気持ち良さそうな顔をしてボール打っている。
一応アプローチから初めて、色々なクラブで打って、ドライバーを振り回してフルスイング。
ともかく力一杯打っていい球が出たら一段落。
その後は、また色々なクラブを打って、やがて好きなクラブで気持ちのよい納得するボールが連続で出たら、満足してまたアプローチでもしてから練習を終わる。
汗をかいて満足して「ああ、いい運動になったな」なんて呟いて。

いいんだけどね。
体をほぐして、自分のスイングを思い出して、痛めた所が大丈夫か確認して、こないだのラウンドでの一番痛かったミスを同じクラブでいいショットが出たら記憶から削除して。
さあ、これでまた次のラウンドが楽しみだ、なんて気持ちになれるんだから。

誰もベン・ホーガンになんてなれる訳ないんだから、彼のように徹底してスイングがどんな時でも崩れないように体にしみ込ませて、ミスしたらそのクラブのそのショットを納得するまで打ち込んで、二度と同じケースで同じミスはしないと確信出来るほどに繰り返す...なんてこたぁ無理。

多くの人が練習が趣味であり、練習自体が目的になっている人さえいるんだから、楽しくなくちゃね。
...でも、本当に上達したいなら、「練習」に関しての色々な人の名言を読んでから、練習場に行った方が良い。

「練習場では、あなたをトラブルに陥れるクラブを使え! あなたをうっとりさせるクラブではなく」...ハリー・バードン
「十分練習を積んでいないショットをラウンド中に試すべきではない」...ハーヴィー・ペニック。
「練習の方法は4つある。 むやみやたらに練習するもの。賢明な練習をするもの。愚かな練習をするもの。全く練習しないもの。」...バーナード・ダーウィン

特に、気持ち良さを追い求めて「下手を固める」練習だけはしないように注意。
...さ、俺も練習に行こうかな...今の所「全く練習しない者」だもんな。