ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

日本ツアーの終焉?

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いつの間にこんな風になってしまったんだろう。

今の世界のゴルフツアーでは、日本のゴルフツアーはアジアンツアーのずっと下の「格」というのが常識らしい。
先頭を行く米ツアーに、ヨーロピアンツアーが今並びかけている...トップを行くゴルファーが米ツアーを主戦場に選んでいるので、一応格は米ツアーの方が上という形だが、ヨーロピアンツアーの勢いというのはライダーカップの成績通り米ツアーを上回るものがある。
どちらのツアーも、名のあるベテランに若く優秀なゴルファーが挑み、若さの力が新しい大きな波を起こしつつある。

そしてどちらのツアーにも、韓国を始めとしたアジアのプロが参加して、実績を残している。
その結果、今まで日本ツアーより格下と(日本人が)思っていたアジアンツアーは、いつの間にか世界では日本ツアーより格上の存在として認められて来ている。

もう日本ツアーは、3流レベルのツアーなのだ。
実際、日本ツアーはここ数年、韓国のプロが米ツアーに挑戦するための資金稼ぎの場となっている。
アメリカに行く前に立ち寄って、何試合か勝って資金を貯めたら、すぐにアメリカに行って本気の挑戦を始める。
...そんな状況を見ていた日本のゴルファー達は、日本のプロツア-にはなんの期待も楽しみも感じず、結果も気にしなくなってしまった。
当然、テレビの中継にも興味がなく、試合の観戦になんて行く気にならない。
ゴルフは好きでも、それは自分がプレーする事が面白いからで、日本のゴルフの試合なんて見てもつまらないという人が殆どになっている。

どうしてこんな風になってしまったかを考えると、世界に通用するプロゴルファーが日本にはいなくなってしまったから、だと思う。
かって、青木・尾崎・中島の3人が強かった時には、彼等が世界の舞台に挑戦する事に普通のゴルファー達が期待し、共感し、応援した。
結果として海外で彼等は大した実績を上げられなかったけれど、どこかで「惜しい」所まで行き、「こんどこそは」の思いを一般のゴルファーにも残せた。
だから、彼等が活躍する試合は気になって中継を見たり、試合に行ったりした。

ところが今では、石川遼こそが米ツアーに挑戦するけれど、他には誰も世界の舞台に望もうとするプロはいない。
丸山と今田が残した実績を越えそうなプロはもういない。
そしてもう、日本のプロは世界のツアーでは通用しない、という事を一般のゴルファーが知ってしまったのだ。
世界で通用しないプロが、国内で偉そうな顔をして試合をしたって、誰も興味を持たなくなっている。
それに、そうした日本の「世界で通用しない」プロの多くが、小さな頃からゴルフでもてはやされて育ち、スコアだけ重視のスロープレーにスターの真似したマナーの悪さ、普通の挨拶も満足に出来ず、せっかく来てくれた観客を邪魔者扱いする、なんてことをする。
そんな姿を見て、「プロなんて言っても世界で通用しない奴が偉そうに...」
「そんなんでも高い賞金を当たり前の顔をしてもらって...」
「自分らには関係ないから、かってに試合でもやってれば...」
なんて思う人が増えるのは当然だろう。

タイガーが悪しきモデルとなって、パフォーマンスばかり大袈裟なプロ。
一般ゴルファーより上手いのは当たり前なのに、一般ゴルファーを馬鹿にするプロ。
そうした態度の反省とともに、本当に世界と戦えるプロを育てる事が出来なくては、数年で日本ツアーというのは消滅するかもしれない。
「プロは賞金を稼ぐのが仕事で、観客に媚びる必要は無い」というプロも、観客がいなくなればスポンサーが撤退し、賞金を出す所が無くなるという事に気がつかない。

そんなプロの意識を変えるとともに、もっと段違いにコースセッティンブを難しくして、日本のプロの技術と精神力の底上げが必要だろう。
今、なんでこんなに日本のプロが世界に比べて弱くなったのかと言えば、あまりに簡単な試合コースのセッティングとその割に高すぎる賞金にあると思う。
勿論、一般のコースで試合を開催するのに、そこで試合以外の日にプレーするゴルファーの事、試合をするコースの営業上の困難があるのは判るけれど、今の日本のコースの試合用セッティングでは世界相手に戦えるプロは育たない。

あの若い才能に光り輝いていた石川でさえ、数年の日本ツアーで輝きは鈍り才能は錆び付いて行った。
少し遅すぎたとは思うけど、厳しいアメリカツアーの洗礼を受けて、彼が再びあの才能の輝きを取り戻す事が今の日本ツアーのわずかな希望の光だろう。
そして、彼に続いて世界に挑戦する若い才能が次々に表れて欲しい。
...今年までの現状では全く期待できないが、来年には...
そしてその時には、世界に負けない難しいコースセッティングで、ボロボロになっても腕を磨けるような試合が続いて欲しい。
易しいコースでのバーディー合戦より、全知全能を傾けてコースに挑むタフな試合を見てみたい。

そうでなければ...