ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

つまんない

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いつ頃からだろう...ゴルフのテレビ中継がつまらないと感じるようになったのは。
...今年は日本の試合のテレビ中継はほとんど見なかった。
石川が、とか横峰が、とか騒がれている試合の終わりの2-3ホールを、チラッと見たことはあるけれど...
もちろん世界のメジャー競技は、「ゴルフの祭典」として十分に楽しんだ。

ゴルフを始めた頃は、国内海外を問わずテレビ中継があればどれも面白がって見ていた。
プロの一打一打が面白く、自分と比較してあれこれ研究もしていた。
ビデオで録画して繰り返しスイングを再生して見る、なんてことが楽しかった。

例えば回ったことがあるコースに、世界の有名選手が来てラウンドするなんて時には、「おっ! セベは俺より一番手短いアイアンなんだ」とか、「ニクラスはここであの番手か...」「トム・ワトソンは、ここまでドライバーを飛ばすのか...」とか、自分のゴルフとも比較して楽しんで見ていた。

...思えば、パーシモンから金属ヘッドのドライバーが出始めた時までだったかもしれない。
ジョン・デイリーなんかでも、なんだか自分と比較して「凄さ」を実感できたんだけど...
タイガーが出て来た辺りから、そんな自分の「やるゴルフ」との比較が出来なくなって来た。

タイガーの圧倒的な飛距離に対抗するために、プロゴルファーもメーカーもクラブを研究しシャフトを研究し、ほとんどのプロが「圧倒的な飛距離」を手に入れることが出来た。
その結果、ドライバーの飛距離もアイアンの番手も、我々アマチュアのゴルファーには全く参考にならない数字が紹介されるようになった。
...テレビを見ていても「残り200ヤードを7番アイアン」「残り270ヤードをクリークでツーオン」「残りは150ヤードですからピッチングかアプローチウェッジですね」とか...
「馬鹿馬鹿しい」と思うようなクラブでコースを攻めている。
そりゃあそうだろう、メーカーに自分のスイングや体力等々全てあわせてセッティングしてもらった「特別製」のクラブを使うプロと、多少セッティング出来ると言っても市販のクラブを使う我々とは全然違う道具でゴルフをやっているんだから。
...参考には、まったくならない。

つまり、今は我々が「自分でプレーするゴルフ」と、「プロが試合をしているゴルフ」は全く別のものになってしまった。
どっちが面白いかと言えば、ゴルフは自分でプレーした方が100倍面白い!
...だから、関係ない道具で関係ない番手でコースで賞金稼ぎしている試合がつまらない。
ただ石川や横峰を見て、「へ~」で終わり。

あまりに普通のゴルファーと、プロやトップアマの世界が離れすぎてしまったんじゃないだろうか?
ゴルフは自分でもプレーする人が試合を見る。
こんなプロ競技は他にはない。
以前のスチールシャフト、パーシモンの時代は今程その距離が離れていなかったように感じる。
もちろんプロとの間には今も昔も絶対的な差があるんだけれど、以前はそれでも間違ってプロ(ワトソンやセベ・バレステロスだ)の飛距離に届いたり、同じ番手で打てたり...凄さとともに身近さも感じたりしたような気がする。

それが今は、比べる気にもならないくらい圧倒的な差を見せつけられる。
体力的なものももちろんあるだろうが、道具の進歩がアマチュアの普通のゴルファーよりもプロに対して特別に貢献していると感じる。
...テレビで試合見ても、参考にならない。

だから、今は「プロはプロでやってれば」って。
自分たちは、それとは全然関係のない自分たちの「ゴルフ」を楽しむから。

そんな気持ちのゴルファーが多いんじゃないだろうか。