ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

クラブヘッドの事だけ...

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「スイングの間中、クラブヘッドの事だけ考え・感じるようにしていなさい」...ジム・ブレイクリイ。

いろいろと調べてみたけど、このジム・ブレイクリイという人の事はよく判らなかった。
しかし、これはいろいろと小さな違いはあっても、多くの名手やレッスンプロが昔から言って来た言葉だ。
曰く
「身体をいくら動かしたって、クラブが動かなきゃ意味が無い」
「仕事をするのはクラブだ、腕じゃない」
「手で打つんじゃない、クラブヘッドで打つんだ」
「手が速く動いても、ヘッドが速く動かなくちゃしょうがない」
「腕よりクラブが振れてない」
等々。

皆さんも一度は言われた事があるだろうし、昔読んだレッスン書のどこかには書かれていたはずだ。
要するにゴルフスイングの基本中の基本であるし、道具を使うスポーツに共通した常識といえる。

いくら奇麗に見えるスイングでも、クラブヘッドがちゃんと当たらなく打てはボールは飛ばないし、何処に飛んで行くかも判らない。
どんな格好悪いスイングでも、クラブヘッドがきちんとボールに当たっていれば、ボールは正確に飛ぶ。
ゴルフを始めた頃には、誰だってボールをクラブヘッドで正確に打つ事に集中したはずだ。

しかし、「クラブヘッドにボールが当たるのは当たり前」の腕(アベレージゴルファー)になってくると、それはだんだん忘れ去られてしまう。
今、自分がスイング中に何を思っているか考えてみるといい。
「肩が回っていないんじゃないか?」
「オーバースイングで格好悪いんじゃないか?」
「ちょっと右を向き過ぎてないか?」
「下半身をもっと使った方が、もっと飛ぶんじゃないか?」
「下からあおると、右肩が下がってチーピンになるか?」
「右半身が突っ込むからスライスするのか?」
「このドライバーは、ロフトがあっているのか?」
「シャフトが硬すぎるから、飛ばないのか?」
...

スイング中、クラブヘッドの事なんか考えるのを忘れている。
クラブヘッドが何処にあるか、どんな風になっているかを考えも感じもしないで、自分の身体の動きやクラブのスペックからの影響しか考えていない。

昔、ジャンボ尾崎の全盛期の頃、プロアマで一緒に回るアベレージあるいはアベレージ以下のアマチュアに、「ジャンボさん、私のドライバーは飛ばないドライバーですよね?」
と言われる事が度々あったそうだ。
その頃の尾崎は、野球で鍛えた身体でパーシモンで300ヤードを普通に打っていた。
一緒に回る普通のゴルファーは190~220ヤードがせいぜい。
自分が飛ばないのはドライバーのせいだ、と尾崎に同意を求める人が多かった。
そんな時、尾崎はそのアマチュアのRシャフトのドライバーを打ってみせる。
尾崎はどんなクラブでも2~3度素振りした後、ちゃんと270~280ヤードは飛ばしてみせたという。
それは、レディスクラブでも同じだった。
2~3度の素振りのあと、Lシャフトのクラブでも同じように250ヤード以上飛ばしてみせた。
...そして「良いクラブですよ」と言ったとか...

これは尾崎が素振りでそのクラブヘッドを感じたあと、クラブヘッドの動きを考え、感じてスイングしたからこそのエピソードだろう。

今、変な風にゴルフに慣れてしまって、クラブヘッドの事を考えられなくなてしまったゴルファーは、自分のクラブより数段柔らかいシャフトのクラブを振るといい。
柔らかいシャフトのクラブは、ヘッドの動きを改めて感じやすい。
つまり男性なら、奥さんや女性用のクラブを振ってボールを打ってみると、「クラブヘッドの事を考え.感じてスイングする」という事を改めて体験できる。

という事でもう一度基本に帰って、クラブヘッドの動きを考え、感じるスイングをやってみてはどうだろう?
「ボールを打つのは手じゃない、クラブヘッドだ!」なんだから。