ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

右手の使い過ぎを抑えるのは..

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「スイング中の右手の使い過ぎを抑えるのは、ゴルファーの永遠の戦いである。」...ジョージ・ダンカン。

ジョージ・ダンカンは、1920年の全英オープンのチャンピオン。
バーナード・ダーウィンとの共著の「Present Day Golf」が有名。

この言葉、勿論「右利き」のゴルファーへの言葉である。
「左利き」なら、当然「左手の使い過ぎを抑える」ことが問題になる。

いろいろな意見や反論や逆説や、変則な意見が多くあっても、結局殆ど大部分の右利きアベレージ「普通」ゴルファーのスイングのミスは、右手の使い過ぎに起因するのは「真理」だろう。

ゴルフスイング自体は、日常身体が覚えている普通の動きとはかけ離れたものなので、教わった通りに動ければ、大した問題は起こらないはず...
(それは、案外ゴルフスイングというのは力のない女性や、非力で運動神経のない男性の方が「良いスイング」をしていることが多い事の理由でもある)

地面に置いてある小さなボールを、長い棒切れで横に振って遠くに飛ばす...なんて動きは、ゴルフが広まるまでは、人類にはなかった動きなのだ。
モグラや地面の動物を攻撃するには上から棒で叩くだろうし、木こりの動きが近いとはいえ、非常に重い得物で上からぶつける動きは、やはり近いようで遠いとも思える。
なぜなら、ゴルフスイングで「右手」が悪さをするのは、振るクラブが右手1本の力でどうにでも動いてしまう程「軽い」のが原因であるから。
これがせめて野球のバット程の重さがあれば、右手だってそうそう簡単に悪さを出来ない。
しかし、バットの重さのクラブでは、ゴルフの一番の魅力である「飛距離」がままならない。

勿論ゴルフの楽しみは飛距離ではないという人も居るだろうけれど、飛距離を落して楽しもうとした「ケイマンボール」が結局広がらなかったように、ゴルフをする人の殆どは他のスポーツでは決して味わえない「飛距離」に魅了されている。

しかし、その「飛距離」こそが「欲」につながり、「右手」が余計な動きをする原因となる。
右利きなら、たいがいの人は左手より右手の方が力が強い。
そして、左手より繊細に動き、体全体の筋肉も右手を活かせる方向に働かせることに慣れている...右肩が一緒に行き、腰を開き、さらに右足も早く動いて地面を蹴って右手をフォローし、右手に入れた力が更に集中出来るように背筋も腹筋も総動員する。
でも、こんな動きの殆どは「地面に置いたボールを打つ」のとは違う方向に働いてしまう。
・・・軽すぎるクラブと、長いシャフトの先にあるクラブヘッドの動きが忘れられているから。

実際にボールを打つのはクラブヘッド。
クラブヘッドに力が伝わらなければ、身体のどんな動きもタダ働きの間違いダンスに過ぎない。

...先人達は、そんなことを苦労したあげくに理解して、名言の数々を残してくれた。
「ゴルフは左手」
「スイングで大事なのは左手」
「右手が利きすぎればミスになる」
「左手がリード」
「左手がハンドル、右手がエンジン」...等々。

ゴルフの動きというのは、人がそれまでに培った「本能的な動き」と逆な動きが正しい事が多い。
クラブを持って構えた時に、「右利きだから右手で打つ」という自然な思いに疑問符をつけてみよう。

ただ、スイングは「左手で」というのも、間違いだろう。
それじゃあ飛ばないし、ボールに当たる気がしないかもしれないし、トラブルショットなんかで腕力が必要な時もあるし、ストレスが溜まるかもしれない...

この言葉、「右手の使い過ぎを抑える」と言う所がポイント。
決して「右手を使わない」という訳じゃないんだから。

つまり、クラブヘッドに仕事をさせる「右手の使い方」が大事ということ。
その加減、答はそれぞれで見つけるしかない。