ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

酒とゴルフ...

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Yさんは、下戸だ。
酒が嫌いとか好きではなく、飲むと体調が悪くなる。
コップ一杯のビ-ルで顔は真っ赤になり、2杯では頭が痛くなる。
日本酒はお猪口2杯で寝てしまう。
それ以上飲むと、気持ちが悪くなり翌日までそれが残る。

そんな訳で60になる今年まで、殆ど酒・アルコールの類いは飲む事はなかった。
別にそれで不満はないし、長い付き合いの仲間からも「酒が飲めない男」として認められていたから、嫌な思いをする事もなかった。

古い付き合いのゴルフ仲間は9人いた。
近所だからとか、仕事の上でとか、友達の友達だとかで、Yさんの30年のゴルフ人生の中で作られて続いて来た仲間だ。
三月に一回の割でやるコンペの他に、やりたくなった時にそのうちの誰かに電話すれば、必ず3人は集まってゴルフを楽しめた。
年齢も一番上と一番下でも5歳しか違わず、みんなため口で言いたいことを言えるゴルフ仲間だった。

その大事な仲間が、去年2人、今年一人亡くなった。
みんな直前まで病気なんて事は全く無く、身体にも気を使っている元気な男達だった。
死因は、脳梗塞脳卒中心筋梗塞だったとか...
9人のうち3人があっという間にいなくなったのは、仲間達にもショックだった。
そして、この前のコンペもあまり盛り上がらなかった。
しかし、そんなゴルフのあとの茶飲み話で、彼等の事が話題になった。
仲間の一人がこんな事を言った。
「俺、彼等の共通点をずっと考えていたんだよ。」
「年も近いし、病気なんて持ってなかったし、急にみんな同じように行っちゃうなんて、何か3人に共通点があったんじゃないか、って。」
「そしたら、気がついたんだ。」
「あいつら、みんな酒が飲めなかった...」
「残っている我々の中で酒が飲めないのは、Yさんだけじゃないか。」
「他の連中は、酒飲みばっかりで、血圧が高いとか太り過ぎで中性脂肪が多いとか、腰が痛いとか膝が痛いとか...しょっちゅう身体のどこかが悪いとか言ってる奴ばっかり。」
「でも、あの3人..それにYさんは酒も飲まないし、身体に気を使っていて健康そのものに見えてたじゃない。」
「そんな3人が急に行っちゃったのは、酒を飲まない事が何かの原因じゃないか、と俺は思ったんだ。」
「俺たちは、酒を飲んでる事で何か助かってるんじゃないのか、って。」

Yさんは、驚いた。
確かにそうだ...彼等と自分は酒を飲まないので、忘年会なんかは4人でウーロン茶とかコーラを飲んでいた。
でも、まさか...

そう考えてみたものの、古くからの「養老の酒」の伝説や、「酒は百薬の長」なんて言い伝えには、どこか「真実」があるんじゃないのか?
迷信みたいなものは絶対に信じないYさんだけど、仲間の事実と最近テレビで「酒は飲み過ぎちゃいけないけど、飲まないよりは少量飲んだ方がいい」と言ったどこかの医者の言葉も心に刺さった。

身体には十分過ぎるくらい気を使っているYさんだけど、酒の事は頭になかった。
しかし、「もし本当にそうなら、自分も毎晩ほんの少しだけでも酒を飲んでみようか?」
普通の酒がダメなら、養命酒でも梅酒でも良いんじゃないだろうか?
一番身体にいいのは焼酎だそうだから、それを少量甘いソーダで割っても良いんじゃないのか?

Yさんは「酒を飲む」と言う事をそんなに真剣に考えた事はなかった。
でも、今はそれが一番大事な問題。

何をさておいても、好きなゴルフを続けるためだ...


Yさんは悩んでいる。
「どんな酒が、ゴルフにいいんだろ?」