ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2012年全英オープン最終日

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風が吹いた。
やっと、全英オープンに似合う風が吹いた。

勝ったのは、「ビッグイージー」こと、アーニー・エルス
首位に6打差でスタートして、風の中で淡々とゴルフをプレーした。
無理をせず、落ち込まず、高ぶらず、惜しいパットを何度も外しながら。

自分としては、もう3度もメジャーに勝っているエルスより、初めてメジャーをとろうかというアダム・スコットかブラント・スネデカーに勝たせたかった。
彼等が一度メジャーをとれば、そこから歴史に名を残すような強いゴルファーに変身するだろうと思えるから。

アダム・スコットは、やっぱり「メジャーに勝てるか」という重圧に負けてしまった。
14番を終わってエルスに6打差。
15番でセカンドをバンカーに入れ、2メートル弱のパーパットを外す。
16番で1メートルもないパーパットを外し、3パットボギー。
17番で絶好の位置の問題の無いライから引っ掛けて、左ラフ...ボギー。
18番でティーショットを入れた事の無いバンカー...2メートル弱のパーパットを外して終わり。
バンデベルデの時のような、たった一ホールでの大崩壊ではなかったが、6打差を上がり4ホール連続ボギーでひっくり返される、というのはやはり全英オープン史上に残る自滅劇として語り継がれるだろう。
それでなくとも「繊細」な神経と言われるアダム・スコットが、これを乗り越える事が出来るだろうか...

ブラント・スネデカーは、風の吹いた全英オープンに対処できなかった。
ほぼ全てのティーショットが風に翻弄されて、トラブルとなって落ちて行った。
でも、アダム・スコットと違って失敗したと言う傷は残らず、メジャーに挑戦する際の「手応え」が残ったような気がする。
これからの彼のメジャー挑戦が楽しみだ。

タイガーは、やはり6番のトリが効いた...しかし、バンカーでのギャンブルショットを真剣にトライする姿に、若い頃のタイガーのような情熱を見た。

もう一人、面白かったのがグレーム・マクドゥウェル。
気合いが入っているのが一目で分かるプレーぶりに、地元で大人気なのがよく判る。
右手のスナップを多用するスイングは、たまにひん曲がる事もあるが、常にピンデッドの攻めるゴルフは見ていて面白かった。

バンデベルデの時もそうだったけれど、リードしていたメジャー未勝利のゴルファーが、プレッシャーで自滅して敗れ去って行く姿を見るのは辛い。
殆どのそうしたゴルファー達は、そこで生涯最高のゴルフと、ゴルフの神様の悪戯に翻弄されて、一生一度の夢を見て消えて行く。

アダム・スコットに、再びメジャーの夢を見る日が来るかどうか。
...ゴルフの神のみぞ知る...なんだろうなあ。