最終組がアウトを終わった頃でも、まだ誰が優勝するのか見当もつかない様な試合だった。
風は強いものの4日間通じて「荒れたいつもの全英オープン」らしからぬ天候だったのに、スコアは伸びなかった。
結局ショットよりも、いかに微妙なラインのパットを入れるかが勝負の行方を左右した。
始めてのメジャー制覇を狙うウェストウッドは、難しいパーパットをねじ込んで行くくせにチャンスとなる上りの短いバーディーパットをことごとくショート。
バーディーパットでカップに届くのは下りのパットだけ、という有様。
粘ってはいてもバーディーを奪えないうちにショットが乱れて落ちて行く。
タイガー・ウッズは、やはりバーディーパットが入らない...ラインを読みきれていないし、距離感も合わずに3パットを繰り返す。
殆どのバーディーパットは、全盛期なら入れていたと思う。
やはり、そのうちにショットも乱れて沈んで行く。
ブラックタイガー(ウッズ)対ホワイトタイガー(アダム・スコット)の対決は、ホワイトタイガーの勝ちとなった。
期待していたカブレラも、何度も短いバーディーパットを打つ映像が飛び込むが...一発も入らない。
アダム・スコットも、ヘンリク・ステンソンも正確なショットで浮かび上がっては、パットをミスして落ちて行く。
そんな中で松山英樹の正確なショットは恐るべきものだった。
ほぼフェアウェイ・グリーンを外さない。
このショットの正確さは既に世界一流のものだと思う...パットも悪くないし、度胸もある。
ただ、プレーの遅さが足を引っ張っている。
今回のペナルティーは、いい薬になったと思う...知られている事だが、今の学生出身のゴルファーのプレーの遅さは異常だ...特にグリーン上がひどい。
「強ければいい」なんて風潮で内心「遅いなあ」と思っても誰も文句は言わないが、あんなに1ショットに時間をかける事が当たり前になったら、ゴルフなんて本当につまらない遊びになる。
遅いプロにはどんどんペナルティーを科した方がいい。
ミケルソン...まだ全英オープンに勝っていなかったのが不思議なくらいだ。
全英オープンにかける意気込みも強いし、低い弾も打てるし自由にボーるを曲げられるし、小技も上手いし、パットも上手い。
本人が「キャリアの中でベストのゴルフが出来た」と言う様に、上がり6ホールで4バーディーは圧巻だった。
決めるべきパットを全部決めたこの集中力と瞬発力...あとは全米オープンを獲れればグランドスラム。
43歳...準オヤジの勝利とも言えるかな。
さあ、これでゴルフのシーズンはひとまず終わり。
この暑い夏が過ぎると、今年2回目のゴルフシーズンがやってくる。
それまでに、減量と腰痛をなんとかしておかなくちゃね。