ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2013年マスターズ最終日

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面白かった。
トップは二転三転、意外な...でも、考えてみれば順当な実力者のプレーオになった。

最終組の二人、A・カブレラと、B・スネデカーは明暗が分かれた。
スネデカーはアイアンが切れ出すと勢いに乗って行くタイプだが、どうも「怪人」カブレラの飛ばしと豪快かつ強引なゴルフに圧倒されて、その持ち味を出せずに崩れて行った。
13番の2打目、2オンを狙ってクリークに入れた時、今にもクラブをシャフトを折りそうなくらい悔しがった姿に今日の出来が表れていた。

惜しかったのがずっと後半の試合を引っ張っていた、J・デイ。
かっての悪ガキがゴルフをする事によって更生し、家族のためにと懸命に戦う姿は魅力がある。
以前の悪い癖だった、アドレスを何度も何度もやり直すという仕草が、ボールの後ろで半眼になり精神を統一するというスタイルになって、スイングが実にスムーズになりショットが安定した。
16番17番の痛恨の連続ボギーが、今回の優勝を遠ざけた...が、彼の今の実力ならば、今年の他のメジャーでも活躍が期待できるだろう。
見るのが楽しみなゴルファーが増えた。

カブレラ...実に面白いゴルファーだ。
まるでゴルフに向いてない「首がない」ような体型で、実に良く肩が回り柔らかいスイングで豪快に振り切る。
混戦になると、まるで鉈の切れ味のショットでピンをまっすぐ狙って行く。
この男の勝負強さを舐めちゃいけない。
ラテン系らしく、乗った時には手がつけられないゴルフをする。
アメリカツアーではたった2勝しかしていないが、その2勝が全米オープンとマスターズなんだから半端じゃない。

A・スコットが最終18番ホールで、やっと初めて長いパットを沈めて1打リード。
その時に、まだ後ろに1打差でカブレラがいるのに、あまりに喜んでタイガーばりのガッツポーズを繰り返すものだから、おもわず「まだ早い!まだ早い! 後ろにカブレラがいるんだからな!」なんて口に出してしまった。
オーストラリアの旗まで持ち出して喜んでいるものだから、カブレラがバーディーを獲ってプレーオフになったら負けるだろうと思っていた。

そんなカブレラは、やっぱり悪天候の中18番にベタピン。
軽くバーディーを獲ってプレーオフ...この時点で、カブレラが8割は優勝だと思ったけれど、カブレラはもう既に1着ブレザーを持っているんだから、オーガスタのブレザーは初めての人に獲って欲しい、と思うのが人情...

カブレラは好きだけど、今回はスコットに」という事で、スコットの応援。
昨年の全英オープンで、独走していながら上がり4ホールでボロボロに崩れて逆転負けしたのも見ていたし。
プレーオフ1ホール目は寄せ合戦になったが、カブレラカップをかすめてオーバーなのに、スコットはショート...やっぱりカブレラか...
2ホール目、1打目を打ち終わって両者フェアウェイキープ、セカンドも二人ともバーディーチャンスにつけた。
その時に、先に乗せたカブレラが後から乗せたスコットに、歩きながら振り向いて親指を立てて「グッド!」の合図。
スコットもそれに対して親指を立てて「お互いに」の合図。
カブレラさん、あんたいい親父だね、の雰囲気。
カブレラのパットはカップの縁に止まり、スコットはカップインでスコットの優勝。
マスターズ初めての優勝だし、オーストラリア初でノーマンの因縁も晴らせたし、なんだか気分の良い終わり方となった。

天気は悪く、マスターズらしからぬ灰色の空と濡れた遅いグリーンだったけど、花咲き乱れる春のゴルフの祭典として十分楽しめた。
朝早く起きていた甲斐があったと言える。

さて、自分もこの季節のゴルフを楽しみますか...花粉症もほぼ収まったし。
...ただ、今日も眠い...