ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

インパクトをゆっくりすれば、スムーズに振り抜ける

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インパクトをゆっくりすれば、スムーズに振り抜ける」...サム・スニード。

サム・スニードは、米ツアーで過去最高の82勝を誇る名ゴルファー。
メジャー勝利は7勝、世界で185勝を挙げている。

天性のスインガーとして知られ、田舎者丸出しの人間性と自己流でありながら最も美しいスイングの持ち主として有名だった。
そのナチュラルスイングの持ち主が残したスイングのポイントは、なぜかインパクト近辺のクラブの動きに関してのものが多い。
例えば以前このコーナーで書いた「タンポポの花を打つようにスイングしろ」とか。

この「インパクトをゆっくりすれば..」というのも同じ。

これは、彼が我々ヘボゴルファーのスイングの欠点の多くがが「インパクト付近のヘッドの動きにある」、ということを確信していたからではないだろうか。
彼の見定めた、その下手くそ達の間違った動きというのは、
インパクトに意識を集中しすぎる」
インパクトで力を入れすぎる」
インパクトでヘッドを速く振ろうとしすぎる」
ということらしい。

しかし、我々がよく目にするレッスン書やゴルフ雑誌のレッスン特集には、「インパクト付近でヘッド加速する」「インパクトからフォローでヘッドスピードを最速にする」なんてことがいつも書いてある。
普通はこういうレッスンを信じて、ボールのある付近、あるいはボールより少し先でヘッドスピードを最速にしようと、ダウンから必死の思いでクラブを持つ手や腕に力を入れて行き、ヘッドがどんどん加速するように体を動かすだろう。

が、しかし、その結果は皆さんそれぞれの記憶に残る最近のラウンドの結果にある通り、満足のいくものにはほど遠いものだろう。
・・・本当に真面目に誠実に、レッスン書の通りにやっているつもりなのに。

「なぜだ!」
なんて言葉が、この前のラウンドで一度でも口からこぼれ出た哀しいゴルファーは、このサム・スニードの言葉を聞いてみよう。
「トップまで行ったら、インパクトをゆっくりするつもりで振り下ろす。」
「ボールを打つのではなく、タンポポの花を打つようにスイングする」

さあこれで、「あれ?」っていうくらい、軽くクラブが振り抜けるはずだ。
今までの自分のスイングに比べたら、まるで半分以下の力しか使ってないような気がするはず。
しかし、クラブは思ったよりスムーズに振り切れた...

で、ボールは?

ちゃんとクラブフェ-スに当たっていれば、自分の思っているよりずっと奇麗な弾道で飛んでいる。
飛距離だって、ひょっとすると自分の今までのフルショットより飛んでいるかもしれない。

ただし、この言葉もスイングも、「インパクトをゆっくり」しても、ちゃんとクラブフェースに当てることが出来るだけの技術はなくてはならない。
この言葉に従ったのにダメだった人の共通項は、「ゆっくり」とか「無駄な力を抜いて」と言うと、スイング自体がデレデレのギクシャクスイングになってしまって、ろくにボールに当たらないケースが殆ど。
素振りのスイングは比較的まともなのに、本振りスイングは全く違ってしまう人に多い。

ボールがあると、どうしても手や腕や体に無駄な力が入ってしまう人は多い。
その力を抜け、ということは言葉では簡単だが、実際にやることは非常に難しい。
そこで、そういう人は練習場でこのサム・スニードの言葉を思いだして、「インパクトをゆっくりする」スイングの練習をすればいい。

練習場で飛距離を競ってもしょうがない。
インパクトをゆっくり」して、ちゃんとボールに当たり、「振り切れる」感覚を覚えることが出来たら、きっとコースでそのサム・スニードの言葉に感謝するに違いない。


「ゆっくり」と「タンポポ」だ。