ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

キャンピングカーの装備

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一大決心をしてキャンピングカーを手に入れたのは、約20年前。
それから10年程キャンピングカーに乗り続けている間に、世の中の状況が劇的に変わって行った。

ランクル車中泊していた時代から、キャンピングカーでの車中泊を始めた頃まで、車中泊をするのは観光地や総合運動公園などの、トイレのある広い駐車場がメインだった。
そのために、そういう人同士で何処の駐車場が静かで良いとか景色が良いとか、情報交換をしながら旅をしていた。
しかし、そうした情報で車中泊する場所も、決してトイレはきれいではなかったし、静かに寝られるような場所は少なかった。

そして、食事も夜やっているような店は少なかったし、飲食店に入ると金が高かったりかで、簡易ガスコンロなどを利用してインスタント食品を食べるのが普通だった。
そのために、キャンピングカーを造る時には、トイレとキッチンは必需品だと思ったし、それに汗を流すための温水シャワーは絶対必要だと思っていた。

それが変わって行ったのは、まず「コンビニ」の増加。
それも24時間営業の店が増えるとともに、いつでも暖かい食事や飲み物、それにトイレまで使えるようになった。
そして、今も日本中に出来つつある「道の駅」の誕生。
これは凄いことだった、これで文字通り「道の駅」から「道の駅」に、まるで鉄道のように泊まる場所への不安が無くなった。
何より駐車場が広いし、トイレもコンビニより使いやすい...今では、ウォシュレットのついたトイレや暖房便座のトイレも多い。

そして、やはり日本中に増えた「日帰り温泉」。
これで数百円で温泉に入れてのびのび出来る。
一人ずつ温水ボイラーでお湯を沸かして、狭いトイレ兼シャワールームで湯量を気にしながらシャワーを浴びなくても済む。

こういう状況になると、あとで自分で排水や下水の始末をしなくてはならない、車内の温水シャワーやトイレを使うことは、まず無くなった。
キッチンも、極偶にコーヒー用のお湯を湧かすくらいしか使わなくなった。

そして、見かけは豪華な装備と見える電子レンジや冷蔵庫は、実際に使ってみると期待はずれな代物だった。
電子レンジは走行中なら何度か使えるが、消費電力が大きいために停車中に使うと1回しか使えない。
巨大な車載バッテリーを2台も積んでいるのに、2度目にはバッテリーが上がって使えなくなる。
冷蔵庫も同じ、停車中にスイッチを入れたままにしていて、バッテリーが上がったことが何度かあった。
それに、はっきり言って冷えない!
氷を作るなんてとんでもない話で、ビールもジュースもろくに冷えはしない...結局あとはクーラーボックス代わりに、コンビニで板氷を買って中にいれ、それで冷やしていた。
いずれも、家庭で普通に使う感覚では車載バッテリーを使用した製品は使えないということ。

役に立ったのは、まず吸排気兼用の換気扇...暑すぎるのも寒すぎるのも、これの換気能力は強烈で外の新鮮な空気を入れたり、こもった熱気を逃がしたり、よく活躍した。

そしてプロパン利用のガスFFヒーター。
これは良かった...どんな寒い時でも、スイッチ一発で数分で車内が暖かくなった。
吸排気とも車外なので、室内の空気の心配をすることがなく、安心して使えた。

そして、あまり知られていないけど役に立ったのが、後部の車体に取り付ける簡易ジャッキ。
鉄の棒1本で簡単に2トン近い車体をリフトして、後輪を上げてしまう。
そうすると後ろのタイヤの分がジャッキで支えられ、殆どの車体の揺れが収まる。
車中泊に慣れていないと、一番気になるのが車体の揺れ...寝返りを打っただけで車というものは揺れるので、その度にほかの人が目が覚めてしまう...というより自分で揺れで目が覚める。
車が揺れなくなるというのが、どれほど安心して寝られるかよくわかる。

そしてもう一つ、車内のシャワーは殆ど使わなかったが、車外に取り付けたシャワーはよく使った。
足を洗う、手を洗う、の他に、野菜でも果物でもちょっと水で洗うというのに、よく使った。
...一番使ったのは、娘達が海で遊んで砂だらけになったあとの、塩と砂落としだったけど。

しかし、そういう時代の変化と関係なく、キャンピングカーで一番大事な装備は変わらない。
そのキャンピングカーで一番大事な装備とは、安心して寝られるベッド。

他の装備はともかく、安心して寝られるベッドを持ったキャンピングカーが一番。
現実に、殆どのキャンパーは向かい合わせの椅子テーブルセットなんて使わない。
まず、いいベッド、それを考えることだ。