ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

3月11日

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昨年の3月11日。
自分は関東に住んでいるのに、あの大地震を経験していない。

その日、朝早い飛行機で鹿児島に飛んだ。
とうとうゴルフを始めなかった、古い親友の見舞いだった。
彼は一昨年の春に脳梗塞になり、その治療の薬を服用していて、脳出血を起こした。
そのために症状が重くなり入院したとの知らせを受けていた。
時間と金を工面して、やっと奥さんと二人で飛んだ鹿児島だった。

レンタカーを借りて病院に行き、外出許可を貰って、身体の不自由な彼の行きたい所に連れて行ってやるつもりだった。
何カ所か彼の行きたい所に行き、食べたいものを食べさせ、最後に行きたい場所と言う、彼の幼馴染みが経営している山の中の養鶏場を訪ねた。
そこで、関東に大地震があった、と知らされた。

彼を病院に送り返したあと、ホテルのテレビでニュースを見て、翌日早朝から急遽家に帰る事にした。
やっとたどり着いた我が家は、地震の影響で部屋の中の本棚などが倒れて滅茶苦茶になっていた。
しかし、東北の状況を知ればそれも些細な事だった。
そして、福島の原発が追い討ちをかけた...

自分は頭が悪いので、良く判らない事が多すぎる。
何故、日本では神戸大震災や東北大震災のような国家的な大災害の時、トップに凡俗な人物がいるんだろう。
事態に対応出来ないばかりか、足を引っ張るような事しか出来ない人物を、何故我々は日本の最重要責任者としなければならなかったのか。

数百年に一度と言われる災害とはいえ、事前に警告されていたにもかかわらず何の対応もしなかった電力会社の責任は、担当者の責任はどうして曖昧にされたままなんだろう。
一旦壊れれば、広い範囲が二度と人が住めない環境になるような原発を、くどい程の対応が必要な超危険な施設を、なんと無責任な経営者が扱っていたんだろう。
そして、そんな事を地震が起きる迄、ほとんど知らなかった自分とは...

...あれだけ世界中から、日本中から好意で集められた義援金は、被災者のためにどう使われているんだろう。
日本の大災害に世界で一番の募金をしてくれた、「去年一番幸せなニュース」は「日本に募金を感謝された事」という台湾に、何故政府は公式に感謝の意を表さないのか。
「隣の大国に遠慮して」お礼もちゃんと言えないなんて、なんて日本は誇りの無い、情けない国になってしまったんだろう...

...自分の所は安全だと勘違いしている、「市民」とやらの東北復興への妨害行為を、何故のさばらして時間を無駄にしているのか。
年寄りも多い被災者には、時間こそが大事なのに。
それから、国家的な災害復興に集中しなければいけないこの時期に、欧州復興のためにIMFに4兆円の拠出金...て、何故?
ギリシャの贅沢のために、東北に我慢しろ、とでも?
TPPも、消費税も、ちょっと待てよ...その前にやる事があるだろう。
東北と原発と、一年経って一体何が進んでる?

頭の悪い自分には、判らない事ばかり。
でも、聞いておきたい。
そういう事態に日本を動かしているあんた方、「胸はってお天道様の下、歩けるの?」。

それとも、みんな俺と同じくらい、本当の馬鹿なのか?