ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

憧れのランドクルーザー

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ジムニー360バンに乗っていた当時(今から30年ちょっと昔の話)、武骨な形の4WD車は純粋に作業車であると思われていた。
そういう4駆に好んで乗る一般人は本当に少なかった。

それでも熱心な4駆乗りは全国にいて、わざわざ乗り心地の悪い4駆の乗るもの同士には、不思議な連帯感があった。
アメ車のジープから、ランドクルーザーやサファリ、それにわずか360CCのジムニーまで、好きで乗っている人は「みんな仲間」という意識があったと思う。
その証拠に、日本中何処の道路であっても、作業車以外の4駆同士がすれ違ったり出会ったりすると、お互いに手を振ったり、クラクションを鳴らしたり、パッシングライトをつけたりして挨拶をした。
そうした趣味の4駆のグループなんかにドライブ中に出会うと、数台から数十台のそのグループの人達と連続でクラクションを鳴らして挨拶し合うために、まるでお祭り騒ぎになったりした。
お互いに、こんな乗り心地の悪い車に好き好んで乗る人は、いい人達に違いないなんて気持ちになっていた、と思う。
うちの奥さんは、「こんな小さなジムニーにも、みんなが挨拶してくれるのが嬉しい」なんて、その度に感動していた。
(こうした状況は、やがて三菱が乗用車並みの乗り心地を売り文句に「パジェロ」を売り出して、大した思い込みもなく格好だけで4駆に乗る人が急激に増えてから、自然消滅してしまった。)

高速にも乗れない、よたよたジムニーに乗っていた我々にとって、憧れの車は真四角の形が印象的だった「ランドクルーザー」だった。
それも、6人乗りで後席に余裕のあるBJ44。
道路でその四角いランドクルーザーを見かけると、思わず二人で見入ってしまう程。
「あんな車に乗れたらいいね」
それが口をついて出る正直な気持ちだった。

二人目の娘が出来た時、なけなしの金を集めて、中古のランドクルーザーBJ44探しが始まった。