ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

不安や緊張を感じたときは..

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「不安や緊張を感じたときは、グリップを1センチ余して握れ。そうして左手のふくらみでグリップすればスイングが早くならない」...ベン・ホーガン。


ベン・ホーガンといえば、ツアー64勝、メジャー9勝を誇る「The Hawk」と呼ばれた冷徹・厳格なプロゴルファー。
1953年には、マスターズ.全英オープン全米オープンの年間メジャー3冠を達成している。
1949年には、交通事故で再起不能と言われた重傷を負いながら、16ヶ月後には片足を引きずりながらも全米オープンに勝つと言う「鉄人」ぶりを見せた。

そんな冷静沈着・鉄の意思を持つと言われたようなベン・ホーガンにして、緊張や不安から逃れるためにグリップに工夫をしていた、というのがゴルフというゲームの魅力と深さ・恐ろしさなんだろう。
つまり我々凡ゴルファーが、緊張したり興奮したり、不安になったり記憶喪失になったりするのは、ゴルフじゃあ当たり前の当然の普通の一般的な出来事って訳だ。

そして、彼は「そういう普通じゃない心理状態になると、スイングのリズムが早くなる」ので、「短く持って左手のふくらみでグリップすると、スイングが早くならない」と言っている。
ポイントは、ただ短く持つ、というより「左手のふくらみでグリップして短く持つ」という事。
...自分はこれを「フィンガーグリップではなく、パームグリップで握って短く持つ」と解釈した。
やってみると、短く握ってもフィンガーグリップのままでは、「早く振らない」ということを実感し難い。
しかし、左手をパームで握って短く持つと、「ゆっくり振る」という感覚が実感出来る。

アイアンなどを短く持つと、「フルスイングする」「力一杯振る」という意識になり難くなって、「八分ショット」や「コントロールショット」を打ちやすくなる。
しかし、ベン・ホーガンの言っているのは「緊張のあまりスイングが無意識に早くなって、スイングリズムが乱れる」のを防ぐために「短く持つ」ということ。

フィンガーグリップ...つまり指先の感覚を多用したグリップは、心の動揺がスイングに出やすいのかもしれない。
そこでベン・ホーガンは、そういう動揺が出難い手のひら(つまりパームグリップ)で左手を握り、短く持つ事で、心の動揺によるスイングリズムの予期せぬ変化を予防しようとしたんじゃないだろうか。

自分で「緊張や不安や焦りを感じてスイングリズムが早くなった」という事を感じた時、これはやってみる価値がある。
ただしいつもフィンガーで握っている人は、練習場ででも少しはパームで握って打つ事になれておかないと、もっととんでもないダフリ・トップのミスをする可能性が高いので要注意。