ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

灼熱

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Mさんは、明日もゴルフにいく。
もう7月に入って6ラウンド目。

普段一緒にいく人は、「暑いから...」という理由で7月・8月は休む人が殆ど。
もちろん夫も「いやだ」と言って、付き合ってくれない。
それでやむを得ず、オープンコンペに一人参加してラウンドすることが多くなる。
幸いなことに、7月8月はオープンコンペが多い...元々オープンコンペは集客目的でもあるのだから、暑さで客足が鈍るこの季節に多くなるのは当然なんだろう。
プレーフィーもほかの季節よりは安いケースが殆どだし、参加者も多くないようなので前の日に申し込んでも大丈夫だし、暑ささえ耐えられれば一番ゴルフがやりやすい季節と考えている。

その問題の暑さだけど、Mさんは北国生まれなのに暑さに強い。
むしろ、汗をだらだら流してプレーすることが好き、という程だ。
暑さ対策には、水分を補給さえすれば耐えられる自信があるし、いくら汗を流しても食事がとれれば自分の身体は大丈夫と言う自信もある。
もう40代の後半だというのに、昨年迄は短パンに半袖でプレーして真っ黒に日焼けしていた。

しかし、今年からちょっとMさんの夏ゴルフは違って来た。
プレーする回数は変わらないけれど、服装が去年と全く違う。
...今年は、下は長いゴルフパンツ、上は襟を立てた半袖のゴルフシャツの下にUVカットの長袖のアンダーウェア、それにキャップを後ろ向きにかぶり、前には通販で勝った大きな仮面のようなサンバイザー。
まるで映画のロボコップのようだ...
もちろん、日焼け止めもその下に十分塗り込んである。
それに、紫外線を99パーセントカットすると言う日傘を持つ。

これだけ変わったのには理由がある。
去年の秋の終わり頃、夫と息子に言われた...「おかあさん、おばあちゃんみたい」「お前、ずいぶんシミやシワが増えたなあ...」
改めてそういう目で自分の顔を鏡で見てびっくりした。
日に焼けていたので気がつかなかったが、黒く焼けた肌の下には目の周りからこめかみにかけて無数のシミが出ている。
そして目の下や目尻には、驚く程深く刻まれたシワがくっきりと....

顔立ちは悪くないと密かに思っていた自分の顔が、日に焼けた褐色の色の下でそんなに変化していたなんて...

でも、そんなことでゴルフをやめるとか休む気持ちは全く無い。
なら、対処しよう、と決めた。
それで、まるでロボコップのような姿となってしまったわけだ。

...灼熱の夏は自分の季節だ。
汗を流してゴルフをしていると、自分が「生きている」のを実感する。
ほかのことではこんな充実感を持つことが出来ない。
この充実の季節に、なぜみんなゴルフを休むのか判らない。

ただ、今年のこのロボコップスタイル、本当はみんな脱いで半袖短パンにサンバイザーでプレーしたい。
夏の太陽を肌で感じて、流れ出る汗に夏の日を確かめる...「ああ、これぞ人生」、そんなゴルフがしたい。

でも、それで女を捨ててしまうのも、すっかり老けてしまうのもいやだし...

灼熱の太陽の下で、ロボコップ女がそんなことで悩んでいるなんて、同伴競技者は誰も判ってくれないだろうなあ..。