ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

いろいろな夏

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全英オープンを見ていて、寝不足だったあの日...まさか勝てないだろうと思って寝てしまった時に、「なでしこジャパン」が女子ワールドカップに優勝してしまった。
...取られては取り返し、突き放されては追いついての展開で、最後にPK戦で勝利して。

しかし、女子サッカーの場合、日本では代表に選ばれるようなプロ選手でもサッカーだけでは飯が食えずに、バイトをしてサッカーを続けなければならない人がいるという状況。
世界一になったとしても、レギュラーの選手でさえどのくらいの収入が得られるのか...
日本のリーグ戦では、観客は200人程しか入らない日が多いので、多くの給料を払えないと聞いているけど。
成し遂げたことの大きさの割に、得られるものの少なさになんだか心が痛む。

それに比べると、プロゴルフでは世界の弱小ツアーに過ぎなくなってしまった日本ツアーで、得ることの出来る賞金額の大きさに違和感さえ感じる。
その上、その中で「自分さえ強ければいいんだ」と勝手に思って、観客を邪魔者扱いするようなプロがまだ少なからずいることの勘違いした傲慢さを考えると...

同じ日になでしこジャパンの優勝と大型台風の接近のニュースが大きく入って、全英オープンのニュースはほんの小さなものだった。
実際に日本人でゴルフに興味を持つものの数と、生活に影響を及ぼすニュースの重要度からすると、こんなものが今の日本でのゴルフの現実だろう。

台風のために、日本では夏のはじめの酷暑も一段落だが、テレビで見ていたイングランドの夏の風景...
あくまで荒涼として、夏の爽やかさや暑さなどとは関係なく、冬と冬の間の「冬じゃない季節」としてしか存在していないような「イギリスの夏」。
そんな中で、吹きつける風と冷たい横殴りの雨、濡れても堅いフェアウェイ、落とし穴のように待ち伏せている見えないバンカー、凸凹で予測のつかないグリーンの傾斜...それを楽しむには、D・クラークがやっていたような、低いパンチショットやノックダウンショットを自由に打てなくてはならない。
「高く上げて止める」なんて事は考えられない状況で、想像力とアイデアを駆使して球筋を作って打って行く遊びは、改めてゴルフが「本当は自由な、形にとらわれないインパクトのゲーム」だということを思い知らされた。

多分日本では必要の無いテクニックなんだろうけれど、あんな風に「抑えた球でグリーンを攻める」事に、ものすごく魅力を感じた今年の全英オープン
今度から、あんな風にやってゴルフを楽しむのもいいんじゃないか、なんてね。
出来るかどうかは別として(笑)。