ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

プロ意識

イメージ 1

少し前にレッスンプロについて描いたけれど、世間には無名でも真面目にゴルファーを教えようと努力しているレッスンプロが多いのは事実として書いておく。

...約25年ほどゴルフのレッスンイラストなどを描いてきて、沢山のレッスンプロやツアープロに接してきた。
色々なレッスンの取材にも付き合って、彼らをイラストに描いてきたわけだが、中には小数だが「トンでも」な人物もいた。
そんな中で一番多く感じたのは「プロ意識」に欠けるプロ。

そのプロのレッスン...ということはそのプロの考え方なり技術を読者に伝える事が目的なわけだ。
当然、例えば他の仕事で「プロ」あるいは「職人」なんていわれる人々は、自分の仕事を理解してもらうために最善を尽くす。
少なくとも自分の言おうとしていることが間違って伝わらないように、細心の注意を払って取材あるいは紹介に対応する。
ましてや、それが仕事として収入になり、連載になるとか特集記事になるなんて時は、当たり前だろう。

しかし、プロのレッスンではいるのだ...信じられない奴が。

かなり前の春先の取材だった。
春先の枯れ芝の打ち方などのレッスンを連載するということで、カメラマンの前に現れたそのプロは、セーターの上に防寒着を着て、その上にダウンのベスト、股引をはいているらしい太いズボンを履いていた。
まるでダルマのような姿で、そのプロは「この場合はこう打って...」「こんなケースでは腕をこうやって腰は...」なんて講釈しているが、見ている方からはまるでダルマがあっち向いたりこっち向いたりしてバタバタしているだけで、身体の動きなんてわかりゃあしない。
最後まで「寒いから」なんて理由で服を脱がなかったプロに、俺は(そんな格好じゃ、なんにも伝わらねえよ...バッカじゃないか)なんて思っていた。
もっと以前に、それに近いことでプロに文句言って喧嘩になったことがあったので、口には出さなかったけど。
こういうプロは2-3人じゃなかった。
プロゴルファーではなかったら、こんな人間が「プロ」なんて看板背負ってやっていけるはずがない、と思わないか?

特に「レッスン」という言葉が入っている以上、プロなら自分の言っていることが間違って伝わらないように、身体の動きなんかがはっきり判る服装にするのは常識だと思うんだが。

結局、このプロの取材ではカメラマンが撮った写真は全く役に立たず、こちらが自分で服を脱がせて描かなくてはならなかった。

しかし、プロの中では、例えば鈴木規夫プロは1月の取材なのに、「動きが判るように」と半袖で写真を撮らせてくれたし、ある女子プロ出身のコーチは「裸の方が筋肉の動きが判るのよねえ..」「脱ぎましょうか・」なんて言ってくれたし(もちろん、感謝して辞退しましたが)、気をつけて身体にピッタリしたセーターなんかで写真を撮らせるプロも多かった。

レッスンの仕事をちゃんとやろうとしているプロは、こういう事はきちんと考えている人が多い。

元ツアープロとか、今もツアーに出ているなんてプロに、こういうプロ意識に欠けた人間が多かったのが、今のプロツアーの問題を象徴しているように感じるんだけど...

プロゴルファーのプロ意識ってのは、一般ゴルファーに対して上から見下ろす意識じゃなくて、「ゴルフ」の看板背負って「ゴルフの素晴らしさ」を間違いなく伝える意識だろ?