ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

忘れられないプロゴルファー...42「ビジェイ・シン」

イメージ 1

ビジェイ・シン、フィジー出身のインド系プロゴルファー。
最年少のゴルフ殿堂入りを果たし、タイガー・ウッズを抜いて世界一位に君臨したこともある超一流のプロゴルファー。
アメリカツアーだけで34勝し、世界では57勝を挙げている。
メジャー勝利も1998年と2004年に全米プロ、2000年にはマスターズに勝って3勝を上げている。

インド系で肌は浅黒く、ある意味でタイガーの好敵手ともなる立場...

こんな風に書いて行くと、栄光に包まれたアジア系のスーパースターになるはずなのに...この男には、光の当たる部分と影の部分がある。
彼はアメリカツアーで成功する前に、オーストラリアンツアーとアジアンゴルフサーキットの二つのツアーから追放処分を受けている。
世界で二つのツアーから追放処分を受けるゴルファーなんて、そういるもんじゃない。
オーストラリアンツアーでは、色々な人やホテルなどから借金を重ねて、それを全く返さなかったということで追放処分。
アジアンゴルフサーキットでは、「スコア誤記」で追放処分。
この「スコア誤記」というやつ、普通のスコア誤記では失格にはなっても「追放処分」にはなるはずがない。
よっぽど悪質ということで降りた処分だろう。

それから暫く時間をおいて、乗り込んだアメリカツアーで遅咲きの35才で初優勝する。
その後はサム・スニードの持つ「40代での勝利17勝」という記録を破り、賞金王にも世界一位にもなる訳なんだが。

「フィジーの怪人」と呼ばれ実績の面では超一流のゴルファーなのに、何かもう一つすっきりとした輝きを感じずに人気が出ないのも、そんな過去がいつもついて回るためなのかも知れない。
最年少でのゴルフ殿堂入りの時も、「なぜタイガーより早く?」「成績はともかく、人格は?」との異論が多かったとも聞く。

正確なフェードで飛ばし、ツアー一番の練習の虫として知られ、今ではアメリカツアーの顔の一人なんだけど...彼の影の部分は消えることがあるんだろうか?
ゴルファーにとっての、一番大事な部分を彼は汚してはいなかったか?
彼は汚名挽回をしたんだろうか?
我々と同じアジア系のゴルファーとして、彼を応援しようという気持ちにそれが引っかかる。
...その過去の汚名が、誤解であり無実であることを願うしかないのだが。

オーストラリアンツアーの借金の方はその後に完済したいうことだけど...