ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

忘れられないプロゴルファー...34「アニカ・ソレンスタム」

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アニカ・ソレンスタム、1970年10月9日、スエーデンストックホルム出身。
USLPGA72勝、メジャー10勝、2001年から5年連続を含む賞金王8回。
そして、ベストスコア59.
2008年引退。
言うまでもなく現代の女子プロゴルファーを代表するゴルファー。

スエーデンのように自然状況が厳しくて、およそゴルフには向いていない国で、こんなレベルのゴルファーが出てくるのは、ピア・ニールソンが唱える「54ビジョン」によるゴルファーの育成方法が大きな力となっているといわれている。
この「54ビジョン」というのは、18ホール全部でバーディーを獲ることは可能であり、そうするとスコアは18アンダー54となり、これを目標にするということ。

ただ、他にも何人かスエーデン出身のプロはいるが、これだけの活躍をしているのは彼女だけなんだから、ソレンスタムが天才でもあったということは間違いない。
そのスイングはフックグリップで、早めの「ルックアップ」が特徴で、実に無駄な力が入らずにリズミカルで...それなのに飛距離が出て正確である。
フックグリップで早めのルックアップをするということは、左への引っかかりを防ぐには良い方法で、強烈なフックグリップのデビッド・デュバルやポール・エイジンガーも、そうした方法で正確なショットを打とうとしている(ただ、フレッド・カプルスだけは例外で、頭を残しても綺麗なフェードボールを打っている...だから天才なんだけど)。

どう見ても身体に負担のかからないスイングだと思えるんだけど、何年か前に椎間板ヘルニアで長期戦線離脱と聞いたときには驚いた。
ただ、この原因は彼女のスイングの特徴でもある「頭の動かないスイング」...早めのルックアップで頭が動いているように見えるけれど、アドレスからトップ、インパクトまでは頭は動かずボールも見ている...のために「アドレスからフォローまで、全く変わらない前傾角度」を維持するために腰に負担がかかったのではないかと思う。
大体ゴルフのスイングのように、地面にたいして腰を曲げて前傾させたままで回す、なんて人間の動きとしてはかなり無理な動きなんだから。

ロレーナ・オチョアが、若いしなやかな身体を鞭のように使ってボールをはじき飛ばすのに対して、まるでアプローチでもするかのようにどんなクラブでも同じスイングリズムで打つソレンスタム。
彼女のスイングならいくつになっても同じレベルのゴルフを続けられるような気がするんだけれど...

俺はどんなプロのスイングよりも、彼女のスイングのリズムとテンポ、シンプルな動きが素晴らしく思える。
ああ、あんなスイングが出来たら、まだまだ俺自身上手くなれるような気がするんだけどなあ、なんて夢を見て。