ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

忘れられないプロゴルファー...29「グレグ・ノーマン」

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グレグ・ノーマン、「The Shark」と呼ばれた、1980年代から1990年代にかけての最強のゴルファー。
世界ランク1位を331週続け、PGAツア-20勝、世界合わせて80勝以上の成績を誇る...なのに、メジャー勝利は1986年と1993年の全英の2回のみ。

不思議なことに、これだけ強かったプロゴルファーなのに、我々のイメージにはこの男の勝利の姿より、敗れ去っていく姿ばかりが残る。
それを表すかのように、メジャーで2位になること8回...その他に優勝争いしながら3位以下に沈んだことは数知れず。
「負けた」エピソードがこれほど多いゴルファーもほかにはいないだろう。

一番いい例がマスターズ...彼が最も欲しかったタイトル。
まず、1986年、三日目を終わって首位。
...最終日も悪い出来ではなく、優勝できるはずだった...が、なんとニクラスがインで30の猛チャージ。
ニクラス46歳「奇跡の復活」優勝で、コースは「ニクラス カムバック!」の声で満たされた。

そして翌年1987年のマスターズ。
...セベ・バレステロス、ラリー・マイズとのプレーオフ
何と、40ヤード以上のチップインバーディーを決められて破れた。

そして、あの1996年のマスターズ。
...三日目を終わって2位のファルドとは6打差の首位。
見ているのもつらい大崩壊で78を叩き3位に沈む。

もう一度チャンスのあった1999年のマスターズ。
...最終日13番でイーグルを獲り、この時点で首位に立った。
なのに続く14番、15番で連続ボギーを打ち、脱落。

強かったと思う...特に1986年の彼は、「全部のメジャーで三日目を終わって首位!」だった...タイガーだったら「年間グランドスラム」を達成していたかもしれない。
勝てなかった理由は「アグレッシブすぎる」とか「彼はチョーカーだから」とか言われたが、確かに脆かった。
しかし、「普通だったらあり得ない」ような負け方が多くあるのも事実。
ラリー・マイズのチップインは、誰がやったって二度と入らないだろうなんて「奇跡のチップイン」だったし、同じ86年の全米オープンでは「絶対によらない」というバンカーから、ボブ・ツウエイに「奇跡のカップイン」をされて負けている。
ニクラスの30だって、結局あれが最後の輝きだった。

姿形が格好よく、女にモテて、莫大な金を稼いで、事業もうまくいき、恵まれすぎた男にゴルフの女神が嫉妬したのかな、なんてことさえ思う。

昨年の全英オープンでの久しぶりの活躍が、あの「アイス・ドール」テニスのクリス・エバートとの再婚の後だったことを思うと、彼女の強さがノーマンの弱点をカバーできれば「もう一花」があるかもしれないと期待してしまう。
あの全英オープンの3位のおかげで、今年は本当に久しぶりにノーマン因縁のマスターズに出場となる。
石川遼で話題のマスターズだけれど、ノーマン50歳のマスターズ雪辱戦も、今年は期待したい。

エバート、がんばれ!
...違うか。