ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

スター

イメージ 1

間違いなくスターとなる星の下に生まれてきた男がいる。
ただの実力とか幸運だとかの範囲で測れないようなことをしてしまう人間がいる。

一度二度の幸運ならともかく、予想もしてなかったときに起こるラッキーならともかく...
「ここで、こうなって欲しい」「こんなときこそ、こうなれば..」なんて願いは我々常人ならいつも思うことだろう...そしてそんな都合の良い願いなんて、ほぼ100パーセント叶わないことというのを身に染みて知っている。

ところが世の中には、「ここ一番」でそれをやってしまう人間が居る。
もう一回やっても絶対にそんなことは不可能、なんて事を肝心要の場所で実現させてしまうのだ。
そう言う人間が「スーパースター」と呼ばれる存在になる。
いくら才能があっても努力しても、それだけではその存在になることはできない。

かってのパーマーが、ニクラスが、トム・ワトソンが、バレステロスが、そしてタイガー・ウッズが、そういうことをやって来た。
歴史に残るスター達は、いずれもここ一番で観客の夢を叶えるスーパープレイを出来た男達だ。

石川遼全英オープン参加資格を優勝で勝ち取った。
一時は5打リードしていたのを、12番で2OBして9を叩き追いつかれる。
このあとに16番でチップインイーグル。
明らかに強すぎるミスと見えたアプローチだったが、ピンに当たってイン。
もう一度入れようとしても、おそらく何回打っても無理だと思われる。

これが女神に愛されている男のプレー...スターとなる資格を持っているもののプレー。
真っ直ぐ育てば、間違いなく日本を代表するゴルファーになるだろう。

まだまだ全英で上位に来るなどとは言えないが、経験を重ねることで間違いなく世界に通用するようなゴルファーになると思う。
ただ心配なことが二つ。
世界に通用するような「何か」があるのを判らせたんだから、もう一般の普通のゴルファー(プロも含めて)が自分のレベルのスタンスから注文をつけることは、「才能の無いものが才能のあるものに教えることは出来ない」ということを周囲が理解するべきだ。
そして、それを理解したら、これからは本人が尊敬できるような、才能のある「本物のレッスンプロ」に自分のスイングのチェックをしてもらうことだ。
それから、ニクラスやタイガーが心配しているとおりに、石川遼自身がゴルフに集中すること以外の楽しみを見つけたら、それを平行して楽しむこと(勉強でも女でも友達でも他のスポーツでも)。
でなければ、20代の半ばには燃え尽きてしまう気がする。

全英オープンで自分の現在の力を身をもって理解して欲しい...そして世界に飛び出していって欲しい。
あのマスターズの前のように、見苦しい騒ぎの数々を身内から巻き起こすなんてバカなことがないように...
もう完全に親離れするときだ。