ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

プロゴルファー考...2

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「プロ」と名の付くスポーツはいろいろあるが、俺は「プロゴルファー」という職業が一番立場が悪いんじゃないかと思っている。
日本に約3000人いる「プロゴルファー」という人達。
みんなが憧れてなりたがるのは、タイガーやらオチョアみたいな「試合に出て賞金を稼ぐ」プロゴルファーだろう。
でもテレビに映るような試合に出られる可能性があるのは、男子の場合約200人くらい...1割もいないわけだ。
そして常に試合に出られる権利のある「シード権」を持っている人は、3000人中75人前後しかいない。
2007年でみると、その75位のプロの獲得賞金は約1千六十万円。
そして50位で約2千万円、40位で約2千4百万円。
これを高いとみるか、安いとみるか。

気をつけなければいけないのは、プロゴルファーは試合に出るのにも「お金がかかる」のだ。
プロ野球や、プロサッカーの選手は2軍でも契約すればお金が貰える...例え試合に出られなくても給料は貰えるのだ。
しかし、シードを持っている選手でも、プロゴルファーは自前で交通費、宿泊費、プレーフィ、キャディフィを払わなくてはいけない。
それらのかかった経費は、予選の二日を戦って通過しなければ、まるまる赤字になるのだ。
そして試合をするためには、木曜日からの4日間だけではなく、火曜水曜には(早ければ月曜日も)練習ラウンドをすることになるから、5日分6日分の費用がかかるわけだ。
10年以上前に聞いた話では、一試合に約20万円は最低掛かるという...現在はそれより高いのか安いのか判らないけど。

簡単に計算すると、2007年で試合数は24...全試合出るとすれば約500万円の経費がかかる。
これを75位の賞金から引くと、日本の男子プロ3000人中のベスト75位に入っているプロさえ、一年の稼ぎは500万ちょっとしかないわけになる。
勿論プロはスポンサーなどが付けば、経費を持ってもらえたり、契約金を貰えるからもう少し稼ぎは多くなるわけだけど...これが現実。
華やかな世界では決してないだろう。

ただし、2007年賞金獲得額上位3人は1億円を超えているし、タイガーなどの世界的なプロゴルファーの稼ぎは天文学的数字になって、俺の感覚では理解不能なんだけれど。

過去には、前年は賞金王になったのにその年は全然勝てなくて税金が払えなくなった、とかシード権を持っているのに予選落ちを繰り返して経費が払えなくなりシード権を返上した、なんて話もあった。

さあ、お父さんお母さん、それでも自分の子供をプロゴルファーにしたい?

(続く)