ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

見栄ゴルフのすすめ

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新品同様の、ピカピカで傷一つないアイアンてのが苦手だ。
いかにも、「金があるので腕を上げるかわりに道具を最新型にしました」、なんて言ってるみたいな。
そしてそんなアイアンのフェースに、トウ側で当たったり、ヒール側で打ち損ねたり,ダフって砂を噛んだ跡が上の方についていたりしたら、みっともないったらない。

以前、ゴルフを始めて間もなくの頃、知り合った若いプロのまだ新しいアイアンの、どの番手のフェースにも同じ場所に綺麗にボールを打って付いたと思われる、「打球痕」のようなものを発見して感激したことがあった。
メッキしてあるフェースの一番良い場所が光り方が違って見えるのだ。

「一体何球打ったらこんなに綺麗な跡が付くんですか?」と思わず聞いたら
ニヤッと笑ってなにも言わない。

取材が終わって、改めてそのプロのアイアンをしげしげと見ていたら、「実は訳があるんですよ」。
「??」
「目の細かい紙ヤスリで、自分のボールを一番当てたい場所を、丁寧に磨くんです。」
「そうすると構えたときにも、そこで打つって気持ちが集中しやすくなりますよ。」

「えええーーー?」
「あの跡って、ボールを打って付いたんじゃないんですか?」
「そりゃあ、時間をかければ付くけど、新しいものでもそうした方が集中できるから...」

...アイアンの表面を痛めないほどの細かい紙ヤスリで、そっと丁寧にこすっていくと、そう時間をかけずに回りのメッキとは違った「色」というか「光り方」になる。
それを構えてみると、確かにアイアンのフェースの「そこで」打てばいい、という気になってくるし、当たるような気になってくる。

いまのクリーブランドはガンメタなのでやってないけど、以前に買ったスポルディングの黒トップはそうして地の銅メッキがうっすら見えるくらいに磨いてある。
これは「地の銅メッキが見えてくるくらい使い込むと、自分に一番あった武器になる」と、昔のゴルファーが言っていたことを知って、夜中に額に汗して磨いたものだ。
自分で打ち込んで地の色が出てきたのではないので、いわば、「上げ底のインチキ」。
(銅下メッキしてあるものは、その銅が出てくるところがホントに綺麗だと思う...だから、銅下メッキのマッスルバックが欲しいなんて思う今日この頃)

こんなことをしてみると、結構愛着も湧くし、楽しく使えるのだ...一度お試しあれ...と言っても、最近流行の「ミーリングフェイス」なんてのにはやらない方が良いと思うけど。