ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

最後の大人の遠足ー3...ついに俺のゴルフに終わりの時か...

 

 

多分、俺の今年一番のイベントだった「北限のリンクス・稚内カントリークラブラウンド」が、6月29日に家に無事着いて終わってしまった。

5月に全く予想していなかったしそんな気配も無かった「脊柱管狭窄症」になって、右尻から右脛までの痛みと痺れで2〜30メートルも歩けなくなった時には「もう絶対に行けないだろう」と諦めたイベントだった。
以前からみずお氏に誘われていたが、興味はあっても普通の人には北海道は遠すぎる。
俺は今まで3回ほど北海道には遊びに行っている。
一人で1回(これは40年くらい前に釧路に飛行機で)、あと2回は30年くらい前に家族と猫も一緒にキャンピングカーで...いずれも埼玉から新潟まで走り、新潟から小樽までを沿海フェリーで移動して、小樽からとりあえず北の果ての稚内を目指してから道内を放浪するパターンだった(そこから10日間くらい。主に道東が多かった)。
これは金が無くても時間だけは自由になる貧乏人には最適な北海道の旅の方法だった。

それが彼等の基本的なスタイルは、まず飛行機で稚内か千歳空港に向かい、そこからレンタカーというスタイル。
これはホテルの予約も必要だし、レンタカーや成田の駐車場の利用もあるし、フェリー代だけで北海道に乗り込んだ俺たちの旅に比べてえらく煩雑な(要するに考えただけで嫌になるような)準備が必要なので、旅に行く気力が無くなってしまう。

そんな面倒くささを図体の巨大な「おいちゃん」なる人物が全てやってくれると言うので、(流石に今度行かなければ俺の人生ではもうチャンスが失くなる気がした)旅が実現した。

目的の第1は「日本の北限のリンクス」でヒッコリーゴルフをする事。
目的の第2は「うに・イクラをはじめとする北の珍味と旨い酒を飲む」事だ。

それを楽しみに体調を整えようとしていたところに,,,「脊柱管狭窄症」。
昔にギックリ腰は経験があるけど、これは知らなかった。
調べてみると非常に厄介な病気....というより現実に右尻から右足首までが痛んで痺れて、何をするにも「アイタタタ !」になって、普通に動けない。
右足全体が痛んで数十メートルも歩くと痛みで動けなくなる...椅子に座る形になるとかなり回復するので(俺の場合)休み休み歩く事になる(これを「間欠性跛行」と言って、杖や車椅子を使うようになる人も多いらしい)。
そして一番辛いのが、うまい姿勢を探さないと痛くて寝られないこと。
俺の場合、1週間以上上を向いてまっすぐに寝られなかった,,,じっとしていると右尻から足の甲の筋肉までもが痺れてどんどん痛くなってくる...なんとか痛みの少ない姿勢を探して寝返りを打ち続けて夜が明けてくる。
おかげで右足以外の肩だのあちこちも痛むようになってしまった。
医者でやるリハビリストレッチも即効性は無く、ネットで少しでも自分に効き目のあるストレッチの方法を探しているが....まだ「これは効く!」という方法は見つかっていない。

整形外科での治療方法も最終手段は「手術」ということらしいが、この手術が評判が良くない。
手術はしたけど自分の思う「全快」には程遠い、というのが今の一般的な評判だろう。
急場の痛みは取れるらしいが、機能的にはその後車椅子や杖の使用や、ジムでのトレーニングや...知り合いの術後の感想を聞いても手術をする気にはならない。
もしするなら最後の手段...激痛で普通の生活が困難になった場合に考えるくらいだろう。

5月はじめに発症してから、これをなんとか頑張って6月27日の稚内CCラウンドを楽しめる程度に復活しようと思っていたけど...残念なことにラウンド前の空港やホテルへの移動で右足の痛みが強くなってしまい、ラウンドは16ホールまでとなってしまった。
そんな俺を哀れんでくれたのか、この地に住む動物たちが慰めに出てきてくれたのがゴルフの神様のプレゼントだったような気がしている。
もちろん俺なりに考えて、右足が伸びる方向で力が入ると激痛が出るので、写真のようにスタンスは極端にオープンにしてダウンからインパクトで右足を押し込まないようにする。
もちろんインパクト以降も右足は送らず上半身だけの回転でショットするスイングを考え出した。
これらはそれなりにうまく当たったが、ともかく「歩く」ことの痛みがだんだん強くなるのでラウンドが辛くなって行った。
昔からゴルフは歩くゲームだと言われている...歩けなくなったら潮時なんだろうと思う。

「このコースでのラウンド」は、俺のゴルフの最終ラウンドのような気がしている。
もう40年も昔、一緒にラウンドした老ゴルファーを見て「俺たちも70歳までゴルフが出来ればいいな」と話し合ったゴルフ仲間...そのうち2名はもう先に旅立ち、自分も70を越えている。


秋になって、「さよならゴルフ」なのか「まだ楽しむぞ」になるのか?

ゴルフ人生(最後?)のイベントを終えて、夏から逃げながら考える。

(写真はみずお氏提供)