ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

たまにはね...愚痴と嘆きの「からみ酒」

大体ね。
最近先に逝っちまった俺の親友二人の話だよ。
親友っつったって、あいつらは「一緒に酒を飲む」だけの親友だったんだ。
岩手のsyuuzouと鹿児島のsyouzou、お前らだ。
そりゃあ、一緒の絵を描き始めた頃から、全く金もないのによく酒を飲んだ。
バイトして金の入った奴が金を払って、やっすい酒ばかりよく飲んだ。
syouzouは一見ハンサムで女にモテそうだったけど、女を見る目が無くてしょっちゅう振られていたらしい。
syuuzouは、ともかく惚れっぽくてちょっとでも可愛い女の子を好きになっちゃあ振られて泣いてた。
まあ、そんなことが酒の肴になって、安い店や公園の片隅でまたよく酒を飲んだ。
,,,で、それからやつらが死ぬまで50年近い付き合いがあった訳だが、今一人で酒を飲んでいると俺はマジに腹が立つことがある。

それはこいつら二人が俺の描く絵に全く興味を持たなかった事だ。
二人とも、俺が何を描こうと関係無いのだ。
syouzouは「俺は絵はわからんから」だったし、syuuzouに至っては俺が銀座でやった10回以上の個展にほぼ全日来ていたが、それがただ酒を飲むためであって展示してある俺の絵を見たことは一度も無い。
(「お前の絵なんか、見ないでもわかる」と言われて、画廊から叩き出した俺の気持ちがわかるか?)

 

まあ、考えてみれば俺の個展で初めて俺の絵を見たうちの奥さんでさえ「あら、あなたって詩人だったのね」なんてのが感想だったし。
見知らぬ通りがかりの人が買ってくれて、なんとか画廊代は払える程度ではあったけど...売るのにも「資産価値はありませんよ」と言って売るのは心苦しかったなあ。
ともかく、知り合いで俺の絵のファンとか俺の絵が大好きです、なんてのがほとんどいなかったのは寂しかったなあ。


所詮俺の才能なんてのはその程度だったんだろうけどね。
それにしても、今思い出しても義理でも絵を見ずに酒ばっかり飲んでいたこいつらには腹が立つなあ(笑)。

 

な奴らが「親友」だったんだから、俺の付き合いもいい加減可哀想なもんだろう。
おまけに二人ともゴルフもとうとうやらなかったし。
他にも大事な友人は居たんだけれど...時の流れに流されて、あっという間にこんな年。
もう会うことは無い人ばかりが、住所録に増えて行く。

 

なんてことを思いながら、クソ暑い38度の夏の中冷たいチューハイを飲んでいる。
他にもなんともタイミングが悪かったり運が悪かったり決断を間違ったりで、数えきれないくらいの「クッソー!!」の思いが湧き出てくるのに....結局まだこうやって生きている俺は運が良くてラッキーだったんだ。
だって、まだジタバタしながらも、なんとか生きていて明日の予定を考えている。
仕事も続いているし、まだゴルフも秋になったらやるつもりでいる。

こうなったら、行き倒れるまでやめねえぞー!.

てか。