ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

梅雨の終わりに思う事

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「何事もなく7月が過ぎてくれ!」なんて、不思議に思っていた7月初め。
100歳を間近に頑張っていた、義理の母が逝ってしまった...悲しみに暮れる遺族ではあるけれど、長い間頑張って来た姿に別れを覚悟をする時間は十分あったと思う。
俺は、いきなり逝ってしまうよりも、それはそれで子供孝行な親であったと感謝している。


それに比べて、何の気持ちの準備も無く突然の災害で元気だった家族を奪われるのは...辛いだろう。
悲しみに大小や強弱なんてないものだけど、病気と突然の災害では心の準備が違う。

ここからは俺の勝手な考えであり、単なる好き嫌いであり、推論に過ぎないけど...熱海の土石流の原因ではないかとも言われている「メガ・ソーラー」(確定してるわけじゃない)。

実は、俺はこれがある風景が大っ嫌いなのだ。
本当に、美しくない。
はっきり言って、メガソーラーで埋め尽くされた風景は、俺には醜い寄生虫が大地を蝕んでいる姿そのものに見える。

今あるメガソーラーと言うのは、倒産し潰れたゴルフ場に作られたものが殆どだけど、その景色はギラギラと異様に光り、その作りつけられた大地の表面は草も枯れて不毛の砂漠にしか見えない。
...自然破壊の代表のように言われてきたゴルフ場だが、調べてみるとそこで使われた農薬類は我々が普通に食べる野菜に使われる農薬よりも少なく、色々と厳しい規制があるために意外に動物も住みやすいことが分かる。
森の部分と明るい草地の部分の連続は、思っているよりずっと野生の生き物の多様性に役に立っているとも聞く。
何より人に作られた環境とはいえ、基本草地は芝だが、放っておくとすぐに地の雑草類が元気に生えてくる。
放棄されても、見た目は荒れ地のようになっても、すぐにそこは元の自然の形に戻って行く。

だが、メガソーラーに覆われたゴルフ場は、そのソーラーの部分が全て「不毛の荒れ地」になる。
ソーラーの下に日はささず、草は枯れ、裸になった地面は雨風に削られる。
おまけに、倒産し閉鎖されたゴルフ場をメガソーラーにする際には、コースにおいて重要だったホール内の立木は全て伐採される(木が日陰を作るため)。
立派な大木であればあるほど、根っこから綺麗さっぱり除去される。
コースのホール外の土地にある木々達も、ソーラーに日陰を作る可能性のあるものは全て伐採される。

残るのは周りの木も切られた、まさに一面の光り輝くソーラーの海だ。
...これが美しいか?
自然の山の姿より、ゴルフ場の姿より、安っぽく冷たい金属質の枠の行列が山を埋め尽くして続く風景を好きな日本人って、いるのか?
こういう風景は「酷く醜い眺め」と言うんじゃないのか?

クリーンエネルギーと言うけれど、このメガソーラーってどれだけの効果でどれだけ役に立つものなんだ?
本当にクリーンで、我々に役に立つものなのか?
樹木を減らした結果の災害の可能性はどうなのか?
装置の寿命は何年なのか、寿命が来た後の撤去に問題はないのか?

今の俺には、この眺めに対する嫌悪感しかない。