ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

もらえる人、もらえない人

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北海道に移住したファルコン・松原氏の「ゴルフ『北の国から』」( clubmoi.officialblog.jp/archives/33219990.html    )の「BoseironFactoryのサポート」の記事を読んで、思う事があった。

要するに有力ゴルファーやプロに対する「サポート」の話...俺も業界の裏話として長くゴルフイラストを描いてきた間に記事のような話を何回も聞いた。
ゴルフの世界でしか通じない、おかしな常識や馴れ合いは確かにある。

直接ファルコン氏の話と関係ある訳ではないが、こんな話がある。
業界関係のコンペなどに参加すると、いつも最新のクラブやプロ用の特別なクラブを使っている奴が結構居た。
同じような年齢のイラストの同業者に、「そんなクラブどうして持ってるの?」なんて聞くと「ああ、これプロにもらったんだよ」「取材して仲良くなったら、これくれたんだよ」なんて平気で言う。
あるいは「メーカーの取材に行って、試打用にもらったんだよ」とか。
漫画家でも取材に行った時にプロにもらった、なんてクラブを使っているものが何人もいる。
...いや、正直思い出してみると、あいつも、こいつも...ゴルフの仕事をして居て、クラブをもらったことの無い者なんて俺だけかもしれない。
俺はダイジェスト、パーゴルフ、アサヒゴルフでレッスンイラストの連載をしていた頃には、プロとの取材やラウンドなんて、かなりの数あったのに...誰からも一本ももらったことが無い。
唯一あったのが、鈴木規夫プロと回った時に全てのホールで彼をアウトドライブしてたら、「そのドライバーと俺のドライバーと交換してくれ」と言われたことがあるくらい...当時俺はミズノの300s、鈴木プロは300s2だった。
「俺のドライバーの方が新型だから」と言われたが、丁重にお断りした(笑)。
俺はプロに愛想もおべっかも言わないからもらった事が無かったんだろうけど、中には付き合い方が上手いせいかクラブの大部分がプロやメーカーからの貰い物なんて奴もいた。
(正直、何ももらった事がない俺って何か付き合い方に欠陥があるのかなあ、なんて真剣に悩んだこともあった)

もっとも、そういった取材で付き合ったプロからもらった人なんて可愛いもので、編集サイド、それも編集長クラスだと凄い豪傑が何人も居た。
ある編集長なんて月例に出た時のクラブが、ドライバーからパターやボールまで全部メーカーからの新品の貰い物(それも全て高額な上級者用一流品)...アイアンセットには小さく「試打用」なんてシールが全部貼ってあったりして(笑)。
特にドライバーはあるメーカーの彼に合わせて作られた特注品で、実によく飛んだ。
でも、「自分でクラブ買った事がない」なんてのを自慢するのはどうかと思うけど。
他にメーカーの新製品が出るたびにメーカーに「あれ打たせてよ」なんて言って手に入れるので、陰で「おもらいさん」なんて言われてた人も居たし...

そんなことが普通にあるゴルフ業界というのは、確かに「普通じゃない世界」なんだろう。
業界に居ながら何にももらった事が無い俺は、「おもらい出来るような付き合い方が下手な人間」って淋しく思うんじゃなくて、「欲しいものは中古で手に入れて来た俺が普通なんだ」って考えなくちゃな。

そんな「普通じゃない」業界で「普通」に頑張るファルコン氏、胸を張ってやり通して下さいね...応援してます。


(追記...俺は自分から「くれ」と言った事はありません)
(追・追記...「タダでくれ」と言った事がない、が正しいか。「原稿料をいらないから」と手に入れたりとか、相手から「安すぎる原稿料だから原稿料の一部として」と、手に入れた事はある。)