ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

night and day


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夜も昼も...ちょっと意味は違うんだけどね。
夜討ち朝駆け...これも、ちょっと違うなあ。
朝から晩迄...これも違う。

まあ、ゴルフで言えば、「日が上る前から日が沈んだ後迄」って事。
まだ暗いうちに星を見ながら家を出て、日が沈んで暗くなって星が輝く頃にやっと家に帰る...日本の普通のゴルファーはそんな風にして、一日がかりでゴルフを楽しむのが当たり前だった...って頃の話。
特にこれからの季節のね。

軽く日帰り出来る近郊の名門コースのメンバーの方々とは全く違う、毎回のラウンド料金をひねり出すのに苦労しているレベルの、我々底辺ゴルファーにはホントに普通の話だった。
...とは言ってもこれがちっとも辛くはなかった。
(金も無い・時間も無いって条件をやりくりしてやる遊びって、なんであんなに楽しかったんだろう。)
高速代を節約する為に近所の駐車場に、まだ朝の4時頃だってのに4人が白い息を吐きながら集まって来る。
その日行く車に4つのバッグをつめて乗り込んで、日が上る前の高速を150キロも走って田舎のコースに向かう。
その日のゴルフへのそれぞれの気合いと自信と不安と、ほぼ2ホールで消える夢を語り合う。

そんなゴルフが実に面白かったのだ。

バブルが弾けてコースが次々と潰れ、パチンコ屋がコース経営に乗り出して、プレーフィーの高かったコースが軒並み料金を下げた。
150キロも走らなくても何とかなる料金でゴルフが出来る様になった。
そして、乗り合いでなくても高速を使わなくても行ける距離のコースで、ゴルフが出来る様になった。
選択肢が広がった分、みんな一緒にコースに行く事は無くなった。
やっと作った時間、やっと貯めたお金で、やっとゴルフが出来る様な、ギリギリの必死の苦労は無くなった

night and day のゴルフじゃなくて、only daylight のゴルフで帰って来れる。
一日がかりの遊びじゃなくて、「ちょっとゴルフして後は仕事」が出来る様になった。

でも、どうしてなんだろう。
みんな年をとって、定年過ぎて自由になって、もう「何時でもゴルフが出来る」になったヤツも多いのに、あの頃の楽しさが味わえない。
暗く寒い朝に集まって、狭い車に4人で乗って、ワイワイ言いながら2時間走ってコースに行った頃が頭に浮かんで来るばかり。

思いで語るにゃ早すぎる...そう思うそばから浮かぶのは
スタートホールのティグランドで、昇る朝日にティーショットを打った時のあの興奮。
すっかり夜になった自宅の前で、キャディーバッグ担いで見上げた夜空に、突き通る様に輝いていたあのオリオン。