ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

一本歯下駄で山登り



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一本歯下駄も、平地では普通に歩けるし、大股ではちょっと歩き辛いがやや小股でなら少しは速く歩けるようになった。
昨年酷く痛めた左足首の捻挫もあって主に未舗装路を歩いているが、平らな草地とか土の上でもまだ転んだ事はないのでやや自信もついてきた。

と言う所で、車でちょっと行った所にある「松伏緑の丘公園」の里山に登ろうか、と言う事になった。
この公園は造成中から時々見に来ていたが、時間をかけて大量の土をダンプで運び込んでいて、標高25m程とは言え山腹に落葉樹や針葉樹の森迄作ろうと言う「よくこんなものを作ろうとしたなあ...」という計画。
周りが全く平らな田園地帯に「里山」を作ろうだなんて、この松伏と言う街にはお役人にもロマンチストが居たんだなあ。
結構予算もかかるだろうに、「よくつくった!」と賞賛したい。

この公園には大きな池もあり、カワセミなども見られ、広い芝生の公園の周りと里山の周りに一周出来る遊歩道が整備されている。
芝生の周りで1周900mあるので、里山の先迄含めて歩くと1500mくらいか。
まず平地を一回り歩いた後、里山頂上を目指す。
公園周りはジョギングコースになっている為に、一本歯下駄でも歩きやすい。

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里山頂上の展望台への道は3本ある。
一本はジョギングコースと同じように舗装された、歩きやすい道。
後の2本のうち一本は、麓から自然発生的に人の歩き跡で出来てしまった様な「直登路」。
これは人の踏み跡で出来た道の為に、草が踏みつぶされて土が露出していて、滑りやすい。
ただし一本歯下駄にとっては、主に真っすぐな上りと下りだけなので、膝を柔らかく使えばそれほど困難なく上り下り出来る。

残り一本は、ロープは張ってはあるが短い距離をいろは坂のように小さく急に曲りながら登って行く道。
これが一番難しい!
道が全て山の急な傾斜を受けて斜めになっている...進行方向に対して右下がりか左下がりになるので、一本歯下駄を普通に置くとすぐに左右に足首を捻って転倒する。
その為に頂上につま先を向けながら、斜めに歩いて行かないと歩けない。
これがきつい!
頂上に足先を斜めに向けたまま横歩きのようにして登って行くのは、これは腰に来た。まるで中腰で蟹歩きのトレーニングをしているようだ。

直登では、次の一歩での一本歯の置き所に気をつけていれば(なるべく左右に傾かない平らな場所)良かったが、この全体が傾斜しているジグザグ上りでは、より左右に傾かない緩傾斜を見つけて(平らな場所だと完全に横歩きになってしまう)腰を落として斜め歩きしなくてはならない。
この加減が難しい...何度か足首を捻りかけて転倒しそうになった。

2日間連続でこの公園に来て、直登、ジグザグ登と挑戦して、かなり今は腰に来ている。
下りは2日間とも正規の舗装路を歩いて降りたが、これは楽。

坂道、特にこうした未舗装路の上りが足腰に効くのはよく判った。
一応休み無しで登っているが、慣れてきたら速く...出来れば駆け足で登れればいいな、と思う。
25mでも、こうして苦労して登ると頂上からの見晴らしは素晴らしい。


...しかし、昔の修験者達は本当にこの下駄で山道を歩き回っていたんだろうか?
今は、とても信じられない。