ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

夏の盛り・夏の終わり

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八月の、夏の真っ盛り。
夏休み、台風、蝉の声、ひまわり、青空と入道雲...

30度を超す気温と熱帯夜と熱中症、汗と日焼けと冷房とアイスコーヒー。

日が傾き始めてから、近所の比較的木陰の多い公園に行って、陽射しを避けながら一本歯下駄でゆっくり歩く。
慣れては来たが、まだまだ天狗のようには動けない。

木々の間の土の上には、蝉の幼虫の抜け出て来た穴が無数にあいている。
頭の上からは、アブラゼミ中心に「今鳴かなければもうチャンスは無い」とでも言う様な、切なく必死な大合唱。
そして、歩いて行く道のあちこちに、この夏を生き尽くした蝉の亡骸が落ちている。
7年待っての「花の7日間」で、お前は思いを遂げられたのか?
それとも空しく絶望して命を終えたのか?

つい忘れてしまう自分の年齢が、ふとした事で頭に浮かぶ。
そうか...俺はそんな年なんだ...
そうだとしたら、あの美しかった人もそんな年になっているんだ...当たり前の事が不思議に思えてしょうがない。

カテーテルアブレーションの手術のおかげで、ワーファリンを飲まなくても良い事になった。
「納豆が食べられる」...それが今は不思議でしょうがない。
納豆が毎日食べられる...そんな事で「人生先の事は判らんな」なんて思うんだから、俺の人生ってせいぜい納豆くらいの味なんだろうな。

古い古い友人が、今年1月に脳幹出血で倒れて、今は殆ど動けない、と。
大酒飲みの「ヤツ」は、「肝臓が悪いので酒をやめろ」と言われるのが嫌で、長い間健康診断に行かなかったそうな。
倒れてから調べてみたら、肝臓の数値は悪くなくて、糖尿病が重かったんだとか。
自分で糖尿病なんて気付かずにいて、それが原因の脳幹出血...悲しい笑い話だ。
見舞いに行きたいと奥さんに聞いたら、本人はこういう状態で会いたくないと言ったとか...その気持ちは十分判るので、ヤツの回復を遠くから祈るしかない。

暑い夏だなあ。
暦の季節は変わって行くにしても、まだまだ当分「暑い夏」の名残は続く。
青春の真ん中よりも、青春の残照の方がずっと熱く輝いている人生みたいに。