ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ペイン・スチュアートの飛行機事故の真実?  (2016年10月23日)

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2009年1月に「忘れられないプロゴルファー」のカテゴリーの中で描いた記事、「星になった伊達男 ペイン・スチュアート」の飛行機事故。

謎や噂話が多く、事故原因も過程も結末もみなはっきりとした証拠のない噂話の域を出なかった。
私が集め調べた情報も、所詮噂話の集合に過ぎなかったのがずっと気にかかっていた。
その事故が、昨夜晩酌をやりながら見ていたケーブルテレビのナショナルジオグラフィックチャンネルメーデー14」で放送された。

この「メーデー」と言う番組は、NTSB(アメリ国家運輸安全委員会)がアメリカが関係する航空機事故について調査解明して行く「事実に基づいた」と言う番組だ。
実を言うと、この番組を見ると飛行機に乗るのが怖くなるので、あまり見ようとも思わないモノなんだけど...他に面白い番組が無い時に見るくらい。

その番組冒頭でいきなりペイン・スチュアートの映像…1999年の全米オープン優勝のシーンが流された!
おもわず「え!?」と姿勢を正す。
あの、噂話ばかりが大きくなったペイン・スチュアートの乗った飛行機の墜落事故の真相が分かるのか?
なにしろNTSBの調査報告書を元に作る番組と言うのだから、色々あった噂話の何が真実だったのか…あれからずっと気になっていた事の答えが判る!?

彼の乗ったプライベートジェット機は、離陸後僅か十数分で応答不能になったという。
ルート上左に曲らなくて行けない地点を真っすぐ直進し、30000フィート程度で水平飛行に入るはずが更に上昇を続け40000フィートを超えてしまう。
そこで、呼びかけに答えず直進する飛行機に、空軍がF16戦闘機を発進させて直接のコンタクトを試みる。
そして戦闘機のパイロットはそのプライベートジェット機のコックピットや客室の窓が霜で覆われて白くなっているのを発見し、報告する。
この辺は記事を書いた当時調べた事と一致する。
高度40000フィート以上と言う事は約12000メートル以上の高度...この高度では人間は酸素を得られずに意識を失い死亡する。
あの酸素ボンベが無いと無理と言われるエベレストが8000メートルと言う事を考えれば、この時には既に全員死亡していたと確信された。

この番組では、この事故は何らかの原因で与圧不良を起こした機体の状況に対して、パイロット達の酸素マスクの装着のタイミングが遅れて酸素不足になり、意識を失った為の事故と報告された。
その大元の原因は、危機対策のマニュアルの順番が不合理だった事だそうで、その後に全ての航空機のマニュアルが改正された、と。


う~~ん、ピンとこないなあ。
問題は「何故与圧不良が起こったか?」であり、この飛行機あるいは乗客に生き残る手だては無かったか?」だと思うんだが、その辺は一切判らない、と。
この与圧不良が起こった為に、意識を失い酸素不足と超低温の為に全員死亡したのは事実だろうが、その直接の事故原因の機体の問題やらは何も解明されなかった。

そしてもう一つ、当時大きな噂となっていたのが「コントロール不能ジェット機が大都市に落ちるのを防ぐ為に、戦闘機がミサイルで安全な田園地帯に落とした?」と言う話。
これは、番組ではやはり進行方向にある大都市に落ちる危険を注目していたが、「運良く」燃料切れで人の居ない牧草地に落ちてくれた事になっていた。

...本当にそうだろうか?
空軍の戦闘機がついていて、行く先に大都市があり、乗客は既に全員絶望との確信があり、と言う状況の中で、何時起こるか判らない燃料切れをじっと待つだろうか?
当時言われていた、「安全な(他に巻き添えを食う人が居ない場所に)場所に撃墜したのではないか」との噂の方が、やはり真実に近い気がしてしょうがない。
飛行機自体の事故原因が、「部品がバラバラになり過ぎていて解明されなかった」と言う状況が、そんな噂に真実味を加えている。

また、ペイン・スチュアートが最後の瞬間にどうしていたのか...と言う事も全く判らないままだったのも事実解明の番組としては物足りない。
全米オープン2勝目を上げた直後の悲劇的な事故は、人生の光と影のあまりにも象徴的な物語として、ペイン・スチュアートの名前は人々の記憶に残って行くんだろうけれど。
でもペイン・スチュアート本人は、(いくら「功成り名遂げた」とはいえ)こんな形では絶対に終わりたくは無かったはずだ。



俺達だって、そんな劇的な最後なんて...絶対にいらないよなあ(栄光にも縁は無いけど)。
ドタバタしていてみっともなくても、ゴルフ続けている方がずっと良いに決まってる。