ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

意地

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先週のプレーヤーズ選手権、ゴルフチャンネルのダイジェスト版を晩酌をしながら毎日見ていた。
マスターズや全米・全英オープンのメジャー競技を見る程の興味は無かったが、コースが難しいと言われたTPCソーグラスだったので16・17・18の3ホールを見るのが楽しみだった。

初めてここで試合が行われた当時、名のあるプロ達が「このコースは難しすぎてアンフェアだ」と抗議していたのを思い出す。
今回はそれほど風も吹かずグリーンも柔らかかったと言う事で、上位に来たゴルファーは殆どが60台でまわっている...選手の技術が上がったためか道具が進化したためか微妙な所だけど、当時とは隔世の感がある。

そんな中で、はじめのうちの興味は「へえ、石川が頑張っているな」という所だった。
躍進する松山の陰にすっかり隠れてしまったが、ずっと試合に出続けていて、予選落ちの連続から徐々に調子を上げて来ている...上位には殆ど入れないが。
今回はウェイティングの3番目からの出場だった。
今年はたまに何日目かに上位に顔を出しても、すぐに最終日には下位に落ちてしまう事を繰り返しているが、インタビューには何時も「悪い所を修正して調子は良くなって来ています」もうすぐいい感じになると思います」と答える姿が、最近は「痛々しく」さえ見えていた。
....最近の彼の立場は、かっての「日本の天才少年」から「最終シード権争いの常連」に落ち、バーディーは取れてもすぐにダボやトリが来る荒れたゴルフしか印象に残らず、優勝争いにはいつも関係ない場所にいる、と言うイメージだった。
そんな石川が予選突破の順位は松山より上、ひょっとするとベストテンもある(優勝争いと言うにはまだまだひ弱さが感じられるので)スコアでまとめて来ている。
「どうせ最終日にはいつもの様に40何位とか50何位に落ちてるんだろうな」なんて予想を覆して8位タイフィニッシュ....ここは素直に「よく頑張った」と褒めてやりたい。

そして優勝したのは、3人のプレーオフを制したリッキー・ファウラー。
日系と言う事で親近感はあるが、彼も直前にスポーツイラストレイテッド誌の「PGAで最も過大評価されているゴルファー」というアンケートで、イアン・ポールターと並んで首位となると言う屈辱を味わっていた。
昨年のメジャー全部で10位以内と言う実績を残しているファウラーに、そのアンケートは無いんじゃないかと思うが....そのアンケートがPGAツアープロの匿名投票だと言うんだから酷いもんだ。
そんなファウラーが、最終日に難関の15番からの4ホールで5アンダーを記録して、プレーオフに滑り込んでの優勝。

プレーしている本人には、きっとそんな意識はないと思うけど....見ていると、どちらもハンサムな優男で、インタビューにもきちんと答える常識的な人間でマナーもいい。
どちらかと言うと我が道を行く性格破綻者の方がゴルフは強いと言われるこの世界、常識人の優男の「男の意地」がこんな結果を生み出したようにも思える。

彼等は人気があるだけに、いい結果を残してもやっかみや嫉妬で異論は多く出そうだが、今迄の経過と実績に大きく拍手を送りたい。
共に若く、未来はまだまだ彼等に失望していない。

よく頑張った!
....まだまだ、まだまだ、「優男の」意地は張り続けろよ。