ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

過大評価?

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リッキー・ファウラーが、スポーツイラストレイテッド誌のアンケートで「過大評価されているPGAの選手」で1位だった事。
イアン・ポールターと並んで、アンケートの24%の得票率で同率首位だったと言う。

ファウラーはインタビューでは「気にしていない」という意味のことを言っていたが、コーチのブッチ・ハーモンには「気になって集中出来ない」と言っていたとか。

だって、このアンケートに答えたのは同じツアーで戦う「匿名のPGAのゴルファー達」なんだから。
これは嫌だろう...ファンの意見ならそれは「何も判らない素人の好き嫌いに過ぎない」なんて思えても、同業者のプロからだと「実力が無いのに、高く評価され過ぎている」と思われてるって事で、簡単に言えば「下手なくせにチヤホヤされやがって」って思われているって意味だから。
これに答えたプロの多くが実際にファウラーとラウンドした経験があるはずだし、身近でファウラーのプレーも見て自分との比較もしているはず...それなのに「過大評価」されていると答えたのは、多くが「自分の方が上」だとも感じていたからだろう。
我々の世界で言えば「あいつは下手なくせに俺より売れやがって」とか「なんで俺より下手なのにあんなに稼いでいるんだ」なんて意味になりそうだ。

しかし、ファウラーは昨年のメジャーで全てベスト10に入っている。
ただ、これ迄のツアーの勝利は僅かに1。
そしてポールターと共通するのが、そのファッション...最終日にはオレンジ一色で決めてくるとか、髪の毛を長くしたり短くしたり、大きすぎてに合わない様な変な帽子をかぶったり、ヒゲを生やしたり剃ったり...毎試合何かファッションを変えてくる。
それにハンサムでモテているらしく、沢山のファンにいつも囲まれている。
多分同業者の嫉妬も入っているだろうし、その派手さを苦々しく思っているものも多いんだろう。

それと、マキロイと違ってたとえ調子が良くても「強烈な強さのオーラ」を感じない。
体格はファウラーが175センチ68キロ、マキロイが178センチ73キロ....ジョーダン・スピースが185センチ84キロ、ミケルソンやB・ワトソンが191センチ、タイガー185センチ・松山180センチに比べると、アメリカツアーでは「小兵」と言える。
ファウラーはあの石川遼の175センチ72キロに比べても軽いのだから、身体に他を威圧するような迫力は無い。
そして、同じような身長のマキロイに比べても、その佇まいや雰囲気に「線の細さ」を感じてしまう。
ファウラーは部門別のランキングでも、ベスト10には何も入っていない...飛距離は50位くらいだし、パーオン率も平均パット数もバーディー数も、取り立てて得意だとか他を圧する強みが何も無い。
だから、一緒にまわるプロ達もきっと複数の部門でファウラーよりずっと上に居たりして、彼のゴルフに怖さを感じないんだろう。

実際に去年のメジャーで5位以内に入っていると言っても、「優勝争いをした」と言うより「いつの間にか上位にいた」という印象が強い。

しかし、実はファウラーは「得意なものが何もない」んじゃなくて、「何でも得意」なゴルファーなんじゃないか?
だから気合いが入って集中出来れば、あのソーグラスの最後の4ホールで5アンダーなんて離れ業が出来る...プロにとっての最高の強みとは、「常にいいショットを打つ」事よりも「ここ一番で最高のショットが打てる」という事だと思う。
そういう意味でこの勝利は、ファウラーの存在感に「いざと言う時のショットの切れ味」という凄みを付け加えたと思う。

甘く見られた屈辱を晴らし、舐めた仲間を見返したリッキー・ファウラー。
今年はもう一勝...メジャーで是非勝って欲しい。
それには風の全英オープンか、極端に難しい全米オープンで。


...自分も「ここ一番で最高のショットを打てるゴルファー」てのになりたいなあ。
ま、普通の時はトンデモショットばかりでも、気に入ったホールでの「ここ一番」、それさえ打てたら文句無い。


..さて...練習、行こうかな...