ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ボールの打とうとする一点を凝視しろ!

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「漫然とボールを見ていてはいけない。ボールの打とうとする一点を凝視しろ!」...ジェームズ・ブレイド

ジェームズ・ブレイドは、1900年当時ハリー・バードン、J・H・テイラーとともに「ゴルフ界の3巨人」と呼ばれた名手。
全英オープンで、ハリー・バードンの6勝に次ぐ5勝を挙げている。

で、この言葉。
賛否両論、功罪分かれる言葉だとも言える。
基本的には、「ボールから目を離すな!」、「ボールをじっと見ろ!」という言葉はレッスンの基礎の基礎とも言えることで、多分ゴルフの歴史上変わらず言われ続けて来た言葉。

今だって、巷の練習場の何処でだってこの言葉が言われない日はないだろう。
ついインパクト前に打とうとする方向に気がとられて、ボールから目を離して頭を上げてしまう「ヘッドアップ」。
あるいはスイングに気をとられるあまり、打った結果を打つ前から見に行く「ルックアップ」。
同じ事だが、「ボールから目を離したから、ミスになったんだ」と誰もが信じている「ミスの理由」だ。
レッスンプロでも、昔のレッスンプロには「xxの一つ覚え」のように、一日中それを言い続ける人もいた。

勿論正しい言葉。
間違いじゃない名言だ。

しかし、自分はこういう言葉を守りすぎるためにミスが酷くなる人が沢山いるとも思っている。
正しくこの言葉を守っている訳じゃなくて、それを忠実に守ろうとし過ぎて悪い動きになってしまっている人だ。
一番多いのが、「ボールをしっかりと凝視する」為に、アドレスから首を下げてボールに向け、目とボールの距離が近くなっている人。
背中は猫背になりやすく、顎はしっかり引き過ぎて、バックスイングすと顎にぶつかるために肩が十分に回らない。
そのままでは肩が回ってないために、ダウンスイングでもヘッドスピードは上がらず、距離が出ない。

ボールを凝視したままもっと肩を回そうとすると、左肩を下げて小さくなってまわす。
あるいは上体を起こして、手を上げる。
...自分では、一瞬もボールから目を離さないでスイングしたと思っているのに、ボールにちゃんと当たらない。
凄くスイングが窮屈で、気持ち良く振れない。

思うに、ボールから目を離さないのに上手く打てない人は、ボールから目を離してしまってミスする人より多いかもしれない。
「ボールを見ろ!」はゴルフを始めた時にまず最初に言われる言葉だから、ボールから目を離せる人は本当はごく少ないのだ。
むしろ、「ボールをずっと見続けようとしながらスイングする」事で、頭の上下動や左肘の引け、肩の回転不足、ヘッドスピードの不足、当たらないんじゃないかという恐怖感が多くなっているんじゃないか?

最近は、いろいろなプロが「ボールは何となく見えていればいい」とか、「ボールはぼーっと見ろ」とか言う人が増えて来たけれど、これも正しいと思う。
つまり、いろいろなゴルファーにとって、じっと見ていい人もいれば、ぼーっと見た方がいい人もいるってこと。
例えば頭を下げてボールを見すぎるビギナーなら、顎を上げて「ボールは下目使い」で見た方がいいかもしれない。
ある程度上手くなって、結果ばかりが気になるためにボールの捕まりが悪いような人は、打った後もボールのあった所を凝視し続ける方がいいかもしれない。

その上達の段階や、その人のミスの出方によって、ボールの見方は変わっていいんじゃないだろうか?
名言に間違いはないと思うが、弊害もあるかもしれないということ。

自分は、視界の下辺りにボールを確認する程度の方が結果はいい。
クラシックアイアンなどを使って、ボールの下半分にきっちり打ち込もうなぞと打つポイントに集中すると、頭が上下動するクセがあるようだ。

基本の基本の名言も、やるとなると奥が深い...