ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

不安の雲

イメージ 1

本当なら、こぞって被災者の支援に立ち上がろうとしていたはずの人々の上を、福島原発放射能が黒雲のように覆い始めている。
発表しなければ「情報隠し」と言われるのは明らか、はっきり発表すれば過剰反応のパニックが起きる「放射能」の問題。

福島原発の事故が明らかになった時点で、このくらいは想像できたはずの事。
しかし、現実に「安全」だと思い込んでいた東京で放射能が測定されれば、頭から東北の被災者の事は吹っ飛んで、我が身大事の保身に奔走する少数(だと信じたい)の人々。
そういう不安感は、伝染する。
実際に各国の大使館や、一部の企業の本社機能が関西に「逃げた」なんてニュースが流れると、いよいよ臆病になった人々はつられて走り出そうとしている。

そこで、関東に住む「普通の人々」は、どうするか。

妊婦や乳幼児を持つ家で、実家が遠い九州・四国・関西にあるならば、里帰りするのもいいだろう。
仕事も何もかも捨てて、怖いから逃げる、というのもあるだろう。

しかし、皆が東京が危険だから「逃げる」という事になると、莫大な数の人が仕事と生活を捨てる事になる...しかし、これをカバーできる都市は日本には他に無い。
その結果、日本という国は瀕死の活動停止状態になり、東北の支援も続けるのは不可能という事になるだろう。
それほど、今の日本はあらゆるシステムが東京を中心に構成されている。

「しょうがない」でもいいから、今は淡々と日常を過ごす事が一番いい。
その間に、ともかく原発を安定させて...それからだ。
それさえ、確実な道筋が立てば、頭上の暗雲はだんだん晴れて行く事間違いない。
完全停止には遥かな時間がかかるだろうけれど、だましだましでもなんとか押さえ込んで、人の手でコントロールできる状態にさえなれば、「未来」に明るい希望も見えてくる。

そうなれば、最近しばしば姿を見せる、「自分さえ助かれば」という醜い行動は、恥ずかしさとともに消えて行くだろう。
そうなれば、今は耐えて休んでいる東北の人々への応援も、何倍ものパワーになるだろう。

「福島50」、がんばって!
もう少しだ(多分)。