ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

風を嫌ってはならない

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「風を嫌ってはならない。風はゴルファーの長所と欠点をはっきり教えてくれる。」...ハリー・バードン

本当にそう思う。
個人的には、雨というのは面倒が多くなるばっかりで、素人にとってはスイングとやる気との両方を壊すものでしかないと思う。
おまけにグリップが滑ったりして、自分も他人にも怪我をさせかねない...だから雨の日のゴルフは大っ嫌い。

でも風の日のゴルフは違う。
よく「自分の持ち球はフェードボールだ」とか「自分はドローボールが持ち球だ」なんて言う人がいるけれど、風の強く吹く日にゴルフをすればそれが本当か勘違いかすぐ判る。
自分でそう言う人達のほとんどは、「フェードボールヒッター」や「ドローボールヒッター」ではなく、ただの「スライス打ち」か「フック打ち」なのだ。
...本当の「フェードボール」や「ドローボール」は、不思議になほど風に翻弄されないもの。
対してスライスボールやフックボールは、笑ってしまうほど風にもてあそばれてとんでもないところに行ってしまう。
これは、本物のフェードやドローのボールというのは、サイドスピンの横に曲がる力より直進する力が強い為に、意外なほど風の影響を受けないという事らしい。
これについては、ボビー・ジョーンズが「ダウン・ザ・フェアウェイ」の中で、「正しく打たれたボールは驚くほど風の影響を受けない」とも書いているくらい。

それが、フェードもどきのスライスボールや、ドローもどきのフックボールは横回転が強いために、思っている何倍も風に影響されてしまうのだ。
風の中でゴルフをプレーして、いつもの何倍も曲がったり飛ばなかったりというのは、風が「お前の打っているのはサイドスピンの多いスライスやフックだよ」と教えてくれている訳だ。

ボールの弾道や飛距離もそう。
北風と太陽ではないけれど、なんとしても風に負けまいとすればするほどボールは風に負けて吹き上がる...力を入れれば入れるほど、ボールが飛ばなくなる。
そうして風との格闘に疲れ果てた時に、フッと優しくボールを運んでやるようなつもりでスイングすると意外にボールが伸びて飛んで行く、なんて事を経験した事は誰でも一度はあると思う。
たいていは何かの間違いか気のせいかと思って、それを続けようとはしないんだけど...
多分、その時のスイングが一番いいスイングだ、って風が教えてくれているのに。

そして、気持ちの問題も...このブログの表題じゃないけれど、ゴルフ場で風の強い日にゴルフをやると、8割以上が向かい風になるから、そのつもりで。
これは、理屈じゃない。
ゴルフも人生も、そんなもんなんだから。