ペイン・スチュアート、天性のリズムを持つナチュラルスインガー。
ドライバーからアイアンまでどのクラブを持っても、実に美しく同じリズムでスイングするゴルファー。
最近主流の「下半身をあまり動かさずに状態を捻っていく」、とか「腰の関節をどうたらこうたら」なんて事は関係ない、とでもいうように全身に無理な力が一切かかってないように見えるスイング。
格好は何時も、鳥打ち帽のような帽子を被り、ニッカーボッカーにハイソックスという洒落たスタイル。
服の色もアメリカの国旗の色だったり、懐かしい昔のゴルファーの着た服のような色だったり...靴に至っては試合の4日間で毎日替えて出てくるという洒落者。
身体は特別に大きくはないのに、靴の大きさは30センチを超えていて、この大足があのナチュラルスイングを支えているんだろうなんて言われてもいた。
どこに居ても「あ、ペイン・スチュアートだ!」と言わせる、存在感があり、目立った。
まさに、その姿は「フェアウェイの伊達男」そのもの。
1989年全米プロ、1991年全米オープン、1999年全米オープンと、メジャーで3勝している。
他にPGAで11勝。
特に1999年の全米オープンで勝ったときには、1打差の2位にタイガー、ミケルソン、シンという時代のスーパースター達を抑えての優勝だった。
そして、そのわずか4ヶ月後、ツアー選手権の会場に向かう途中に小型ジェット機の墜落事故で死亡する。
ニュースで見た映像では、交信が途絶えたジェット機に戦闘機が近づいてみるが、窓にはびっしと霜が付いていて、高度10000メートルを超えている状況では乗客乗員全員絶望、と言っていた。
噂では市街地に落ちるのを防ぐためにミサイルで撃墜された、なんて事も言われていたが、結局サウスダコタの草原に墜落したようだ。
クセのある人物だったとも言われているが、彼があの洒落た格好で、シニアツアーでも活躍する姿を見たかったと思う人も多いだろう。
他に飛行機事故で死んだ著名なゴルファーには、「シャンペン・トニー」と言われたトニー・レマがいる。