ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ボールを打つまで腰を回すな

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「ボールを打つまで腰を回すな。そうすればスライスは止まる」...リー・トレビノ。

トレビノと言えば「スーパーメックス」と呼ばれた、メキシコ系アメリカ人。
PGAツアー29勝。
なんとメジャーで6勝もしている。(全米オープン2勝、全英オープン2勝、全米プロ2勝)
その他にチャンピオンズツアーでも29勝を挙げている。

全く自己流のスイングで、アメリカのマスコミからは「間違いだらけのスイング」と酷評された事もある。
全盛時は低いフェードボール一辺倒で勝ち抜き、その持ち球に合わないマスターズのオーガスタナショナルGCでは良い結果を残せなかった。
そのために、マスターズは招待されながらも欠場した事もある。

さて、その(超)個性的スイングのトレビノの言葉だ。
普通なら腰を止めてスイングなんてしようものなら、ドチーピンになるかチョロするかぐらいなもんだろう...(腰は回って肩は開かない、というのが当たり前の「スイング」の動きと言われている)
大体トレビノのスイングと言ったら、(この言葉とは真反対の)オープンスタンスで、インパクトの前にはもう腰はすっかり目標方向を向いていて、ボールを低く押し込んで行くような動きだ。
...しかし、そんなトレビノだからこそ、こんな言葉が意味を持つんだろう。

スライスで悩んでいるゴルファーは、他人に「肩を開くな」とか「右肩を突っ込むな」とか「手から動くな」なんて言われたって、「そんな簡単にそう出来るなら、誰がスライスで悩むもんかい!」なんて思っている。
レッスン書にだって、テレビに出てるプロだって、みんな言う事は一緒だ。
ただ自分の身体がそう思ったって動かないから、悩みが尽きないのだ。

やってみるといい。
トレビノに騙されたと思って。
肩がどうのこうのじゃなくて、「腰を回さないで打つ」のだ。
ボールを打ってから腰を回すイメージ。

やってみると判るが、腰を回さないでボールを打つなんて、スライサーには簡単に出来やしない。
右肩を思い切り突っ込んだって、手を思い切り振ったって、ろくにボールに当たらない。
出来るのは腰が早く開くのを、少し送らせてやっと当てる事が出来るくらい。
しかし、そう言う意識を持ってスイングすると、肩が突っ込まなくなる...腰が回らないと肩も開き難くなる。
腕に余分な力が入ってなければ、腰を回さないでスイングするには、身体の前で「ヘッドを行かせる」感覚でクラブを振るしかなくなる。

それが出来れば...フックが打てるはず。
ただし、曲がり幅なんか調節出来ないフックだけど。
右にしか曲がる球を打った事の無いゴルファーにとっては、嬉しい経験になるだろう。
左に曲がる球をどういう形であれ打てたのなら、後は練習すれば何とかなるはずだ...多分。

トレビノの、勿論「毒薬」にもなる言葉。
薄めて「良薬」にして、飲んでみたらどうだろう?