ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

あつくて何にも出来ねえ〜〜 じゃあ、カラオケでも行こう

 

前に書いたように、俺の住む町の駅前にジジババには有り難いやっすいカラオケがある。


ちょっと前まではカラオケなんか嫌いだったから、行きたいと思った事なんか殆ど無かったが,,,以前は確か料金も馬鹿高いし飲み物を注文しなくちゃいけなかったし(外からの落ち込み禁止で食い物なんかもかなり高かった)、時間制で結構高く2時間も歌うと(一人5曲くらいか)一人5〜6千円を超えて「カラオケは金がかかる」というイメージが強かった。
それが最近になって潰れたパチンコ屋の後に入った格安カラオケ店が、「持ち込み自由」で料金も安く(特にシニアは「二人で3時間で1000円」で遊べる爆安料金!)電話で予約すると気分的には半日一人500円で遊べる。

 

もともと音楽の才能なんて全くない俺は「歌う」ことなんて不得意もいいとこで、以前から歌うのは出版社や新聞社の忘年会や執筆者懇親会などの「どうしても歌わなくちゃいけない」場合だけだった。
当然俺の歌なんて音痴に毛が生えただけみたいなもんで、人に褒められるとか感動されるなんて経験は全く皆無。(大体、音楽の成績なんて小学校から落第点!)

ただし、俺は歌うのは嫌いじゃない...むしろ大好きってのが何とも情けないというか、みっともないというか、恥知らずというか...
...一人で車を運転して遠出をする時なんて、必ずUSBに入れた俺の好きな音楽をかけて一緒に歌っているし、その際に音が外れて・あるいは高音が出なくて悲鳴のような・遠吠えのような・雑巾を引き裂くような醜い大声しか出ないのを感じては結構傷ついている自分がいる。

で、いつもはうちの奥さんに申し込んでもらって二人で行くのだが、うちの奥さんは俺の歌なんか別に聴いてないのが気楽で良くて、俺は一人でいるようにいろんな歌を時間一杯歌うようになった。
高音が出ないので音を下げて、汚い声はエコーで誤魔化して...車を運転しながら聞いている歌を中心に罵声を張り上げる。
例え聞き惚れる人も感動してくれる人もいなくても自分で自分に酔っている気分なのがおかしい。

うちの奥さん以外に一緒に歌って楽しかったのが、死んじまったsyouzouやsyuuzouと一緒に酒を飲みながら歌った時,,,歌う歌というのは同じ世代の人間と歌うとどんな歌にも物語があって共感できるが、10年違うともう共感できる歌が全く違ってしまう。
俺たちはやはり団塊の世代の人間たちの好きな歌が、心に沁みる。

しかし...こんなカラオケの問題は俺たちの世代の歌がどんどん消えて行く事。
若い人の歌が物凄い勢いで増えて行く中(だいたい俺の世代のジジババは最近の歌を「歌」とは認識できていない)、「あれ、前はあったのに?」てな感じでいつの間にか自分の好きな歌が消えてしまってる。
そもそ俺の歌いたい歌って、当時でもマイナーだった歌が多くてカラオケ店の曲目標に乗っているものが少ない。
つまり「歌いたいのに曲が無い」っていう状態だ。

誰に聞かせたい訳でも無いんだけれど、ただ俺はそんな歌を歌って自己陶酔したい。

例えば
加藤登紀子が歌っていた「五右衛門節」は、俺は大好きで歌いたいのにカラオケ店にあったことが一度もない。
 真っ暗闇の山の中 星を見据えて涙する 〜

例えば
キャッスル&ゲイツの「鎮魂歌」。
歌詞が気に入って、一度は歌ってみたいと思っているんだけど
 争いだらけの この世界で 〜

例えば
ジュディ・オングの「夕陽の恋」。
他の曲はあるのにこの歌が無い。
 黒い落ち葉と 赤い夕陽が 〜

例えば
都はるみの「涙のバラ」
 わったしの ほっほーの 〜

例えば
吉川団十郎の「単性時代」
 ビタミンAからビタミンZ〜

日吉ミミの「男と女の数え歌」
 男とせえ〜え〜

吉田拓郎の「放浪の歌」
 君からもらったネクタイを〜

他にもたくさん(笑)...別に十八番だったり、上手く歌える自信があるとは全く無いんだけど、
「ちょっと歌いたい気分だなあ」なんてなる歌なんだけどねえ...「安いんだからしょうがないか」で終わらせる話じゃあるんだけれど...「あったらいいなあ」なんてまたカラオケ行きたいジジ〜は思っているんですよ。

で、そんな歌を歌って、聴いてる人が涙のひとしずくでも流してくれたら「たいそうな歌うたい」にでもなった気分で酒を一口飲むんだけどな〜(笑)。

 

、ささやかな夢だなあ(w)。