ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

「ボロっちー」のがお気に入り?

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とある日の夜、「明日はゴルフだ」と言う(遠足前の子供のように)ちょっと高揚した気分で家を出る訳。
目的地はゴルフ場近くの「道の駅」。
そこでの好きな本を読みながらの、ささやかな「ゴルフ前夜祭」の時間が年食っちまった俺の今の1番の楽しみ。
本当はそこに行く途中の「道すがらのドライブ」も、奥さんが一緒の時は「田舎への夫婦旅」だし、一人の時には「擬似放浪の旅」気分で、どこへ行くのにも極力「同じ道を走らない」が基本で、これも楽しみ。
時間が掛かるのは問題ではないから、よほど遠く(片道300キロ以上)でない限り高速道は使わない。


この日は茨城奥地のコース近くの道の駅を目指していた。
途中から筑波山周りの北へ行く近道を探しながら走っていた時、ついうっかりよそ見をした時に、狭い山道左側の立木の枝に左のサイドミラーをぶつけてしまった。
「ポン!」と当たって、鏡が「トン!」と外れたのはわかった...狭い道の先に止めて鏡が落ちた辺りを探したが、崖と草ボウボウの地形でどこへ落ちたか見つからない。
すれ違いも出来ない細い道なので、少し走って広く止められる場所に出て、いつも整備をしてもらってる修理工場に電話したが...当然部品も無く、すぐの修理は無理との返事。

「左のサイドミラーはなくても、多分平気だろ?」なんて考えて、とりあえず道の駅を目指したが...普通の道に出て車を走らせてみると、「左サイドが見えない」ということがどんなに怖いことか、腹の底から思い知る。
左車線に車線変更するのに、横を走っている・左後ろにいる車の状況が全くわからない。
左折する時に、左に自転車やバイクがいるのかどうか全くわからない。
「これじゃとても運転できない」と、この近所で一番道沿いに店の多い賑やかな道路に出る。
時間は午後7時過ぎ、目指すはオートバックスなどの車用品店で「代替えミラー」があるか、それが無かった場合は百円ショップかコンビニで「手鏡」でも良い、と考えた。

道路左右の店の看板をしっかり確認しながら30分程...なかなかカー用品店は見つからず、百円ショップの手鏡でもしょうがないか、と諦めかけた時に見つけた看板「中古自動車部品・高価買い入れ」!
「買い入れてるのなら、部品販売もきっとある」と確信して店に飛び込む。
事情を話して在庫を聞くと、店員の人が「ちょうど入ったものがあります」とダンボールに入った中古部品の山を出してくれた。
その中から、店員の人と二人で大小3種類のサイドミラーの鏡を「掘り出す!」。
とりあえず自分の車のサイドミラーに合わせてみて、一番しっくり来そうなサイズ・形のものを決めて、値段を聞く。
店長が鏡の裏を見ると500円の表示...「なら、これ300円でいいよ」の言葉。
有難い...数千円を覚悟していたので、地獄に仏・感謝感謝で即購入。

あとは車に置いてあるガムテープで自分で取り付け...鏡が取れた以外は、鏡の調整用の機構は無事だったので、ガムテープで軽く貼った後角度調整。
角度を決めた後、落ちないように鏡の部分にもテープを貼ってがっちり固定して完成。

使ってみれば、テープで視界はやや狭くなったけど、前についていたものより見やすいくらい。
(良かった〜、たった300円で修理できた〜。)

数日後に修理工場から鏡が届いたという連絡が来て、無事元の鏡がつくまで数日間このテープを貼った車に乗っていたけど...塗装の剥げた天井部分といい、ガムテープを貼ったサイドミラーと言い、15万キロ以上乗ったキャンピングカーの「ボロさ加減」を俺はすっかり気に入ってしまった。

クラブも百年もの、ボールは五十年もの、乗ってる車はハゲハゲとガムテープでオンボロの数十年もの、着るものもみんなボロで色落ちハゲちょろけの数十年もの、それにそれを使っている人間がハゲデブ半壊の七十年もの、と来りゃあ...俺の感覚では「全部がボロ過ぎお揃い」でカッコイイ(笑)。

 

まあ、普通の人にはワカンネエ感覚だろうね。
いいんだよ...ど〜せ俺は変態ゴルフを楽しむ、オンボロ変態ゴルファーなんだから。、
(昔だったら、絶対にゴルフ場で入場禁止だろうな...若い頃、黄色いランクルBJ44に乗っていた時代、「名門」なんて言われていたコースで「車をハウスの正面に置くな」とか「工事用の入り口に行け」って言われたり、支配人が飛んで来て「玄関から見えるところに止めるな!」とか、本当に散々言われたもんなあ)


(...その後綺麗に修理されちゃって、今じゃちょっとツマンネ(笑)。)