ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2019年のジジーの冬ゴルフ

f:id:ootataki02:20191209133002j:plain

 

 

基本的に寒くなったらまずゴルフはやらない(最高気温10度以下の日ね)けれど、暖かい予想だったのに行ってみたら天気予報大外れで、結局「極寒」のゴルフをやる羽目になる、なんてことは十分有り得る。

そんな時にヒッコリークラブを極力壊さずに、かつそれなりのゴルフを楽しむスイングなんてものを、毎年この時期になると考えている。
幸い俺はゴルフイラストの仕事を始めてから40年近く、人数にしたら3百人以上の有名無名のレッスンプロや元トーナメントプロのレッスンイラストを描いてきた。
それは、それだけの数のレッスンプロのレッスンを受けて来たのと同じ事なのだが、残念ながら俺の能力ではそれが系統づけられて整理されていなくて全く有効利用はされていない。
だが、俺の頭のどこかにそれらは埋もれているはずなので、こういうテーマの時には積もり積もった頭の片隅の取材のカスの山をスプーンでコジコジと掘り返してみる。

それにプラス自分でやってみて良かった事を合わせてみると、結構意外な方法が役に立つことが多い(ただしこれらのことはあくまで「俺にとって」の話なので、「一般不変のスイングの真実」では決してない)

寒くて体が半分凍って、死なないために最先端の防寒衣服を重ね着し、雪だるまのように着膨れした姿にインスタントカイロを貼りまくる。
およそ運動をする姿じゃない格好に成り下がった挙句に、加齢による関節硬直と関節痛と筋肉痛と痛風不整脈と飲み過ぎと寝不足と肥満と高血圧とインポの悩みを抱えながら、ジジーたちは寒風吹きすさぶティーグランドに立つ。
...結構現実は命がけなのに、自分だけは大丈夫と心をごまかしながら。

で、そのスイングといえば...ほぼ全てのジジーは体が回らない捻じれない曲がらないので、「ヨッコラショ」と右に体重を移動させながら思い切り揺さぶってトップになったつもりで、ボールに向かって思い切りクラブをぶん回す。
イメージは「その晴れ上がった冬の空高く、300ヤード先のフェアウェイへ」なんだけど、その見上げた空にはボールの姿は無く、ちょっと先を頭の悪い犬のように駆けて行く白いものの姿が目に入るだけ。
それが自分のボールだなんて信じたくないので、ジジーは現実から逃げてちょっと哲学的な事を考えて、渋くニヒルに笑ってみる。
まあ、これから18ホールかけて...自分が「ヒーローではなく大部屋の三文大根役者だった」ってことを自覚していく訳なんだけど。

こんな冬のゴルフは、アドレスからリバースのトップを考える....体が動きづらいので右足を引いてクローズドスタンスにして、さらにチンバックまで心掛けて肩が入りやすいようにセットして...バックスイングにつれてだんだん左足に重心をかけて行く。
出来上がったトップは、以前からダメなスイングとして評価されている左足に体重の掛かったリバーストップ...だがこれでいい。
左手は無理に伸ばす必要はなく首に巻いていていい...ただしダウンでグリップを体から遠ざけるように「後ろに」下ろすのがポイント(この時左手は伸びる)。
その時に重心は左にかけたままで絶対に右足に移動させない。
あとは腕ではなくヘッドがより走るように手を振るだけ。
フィニッシュは成り行きで...真冬に綺麗なフィニッシュを取ろうなんて、ただ怪我する機会を増やすだけだ。

もちろん飛距離は他の季節より出ない。
番手で二つは違うかもしれない。
でも、俺にとってはこれが真冬に「クラブを壊さない」「怪我をしない」「よりボールに当たる」「ライが多少悪くてもゴルフになる」、最良のスイング。

みんなにオススメはしないけど、最近連載でやっている(タイガーもやっている)「ヒップスライド」という最先端のスイングにこの感覚と近いものがあって、ちょっと本気で取り組んでみようかと思っている。