ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

明日、誕生日ラウンドでホームへ...

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なんだかね。

全く実感がないんだよね。

自分にとっては、絵を描き始めた時には全く可能とは思えなかった生存年齢「70年」。

明日誕生日を迎えるのに、ここまで生きてこられた原動力になったと考えているのは「ゴルフ」...こんな世渡りの上手くない男には、この「ゴルフの仕事をしてゴルフ自体を楽しむ」という出会いがなかったら、「今こうして存在している」事は出来なかっただろう。

23歳でフリーになって、まず広告の仕事から始まったが...この仕事は稼ぎはいいが自分に合わず、その後雑誌の仕事を紹介されて忙しくなったが収入は不定期で安定せず、時間に追われ締め切りに追われて流されそうになっていた時に紹介されて始めたのが「週刊ゴルフダイジェスト」でのゴルフイラストの仕事だった。

その時の年齢は33歳だった。

ただ、その仕事を始めてもすぐにはゴルフを始めることは無く、実際にゴルフを体験してゴルフ自体に熱中したのは1年以上後の30半ばからだった。

 

それからはゴルフ関係の雑誌や新聞に仕事が順調に広がり、「連載」が増えてゴルフイラストが自分の仕事の「柱」となり、収入とともに生活が安定するようになった。

娘二人を育てるのには、このゴルフ関係の仕事が安定していたのが救いとなった...うちの奧さんにとっては、この当時の週刊誌や新聞の担当編集者は今でも「恩人」との格付けになっている。

ゴルフの仕事は、ゴルフ自体に自分が熱中した事によりいくら忙しくても苦痛とはならなかったが、小説の挿絵の仕事を色々紹介押してくれた尊敬する大先輩のイラストレーター「山野辺進」さんには「その仕事は後には何も残らない」と心配して頂いた。

実際に多少の葛藤はあったが...結局娘たちを育てるためには、とゴルフの仕事を選ぶことにした...俺にとっては食えさえすれば他の名誉は自己満足でしか無いし、そもそも俺に名誉は関係無い、と。

(今でもそれに悔いは無いけど、ちょっと寂しい...かな。)

 

年齢のことでいつも思い出すのは、あの漫画の「サザエさん」。

すごい年寄りと感じていた「波平さん」は、設定ではまだ「定年前」のサラリーマンなんだから50代(今の俺から見ると、まだ「若造」の年齢だ!)...なのにあの姿は、今の感覚なら70代後半の姿だろう(つまり後期高齢者ね)。

確かに、俺の若い時代の一般の年齢感覚は、サザエさん手塚治虫が描いた有名な「男の一生 女の一生」の漫画に近い。

この漫画で手塚治虫は男の一生を、35歳で下腹が出て、45歳で頭が白髪になり、50歳で禿げて腰が曲がり出し、55歳で禿げて腰が曲がり歯が抜けて杖をついている!!(実際に手塚治虫も60歳で亡くなっている...亡くなる寸前の彼の雰囲気は、確かに既に功成り名遂げた老人のイメージだった)

 

これは一体何年前のイメージだろう...実際に自分がなってみると、50歳なんてまだまだ青春の欠片があちこちに残っていて「若い頃の感性」を忘れられずにいた年齢だし、60歳だって体の油が多少切れてきたぐらいでまだまだ未練タラタラの生乾き状態だ。

今、自分が70という壁を前にして感じているのが、「老い」というか「寿命が来たパーツがあちこちにある」状態なのに、「悟りを開くにゃ俗物すぎて」「新しく始めるには時間が無いのに、やめる勇気もありゃしない」半端者の「いつの間にか生き残っちゃった」って感覚。

 

...しかし、もう何人もの友人・知人が先に逝ってしまったのも事実。

気持ちは絵を描き始めた頃とちっとも変わっていないのに、人生がいつ終わってもおかしくない年齢って事だ。

俺も70を過ぎたら、本気で「終わる」準備を始めなくちゃいけないかな。

 

 

とは言え、とりあえずまだまだゴルフは楽しむつもりだけど。

 

...死ぬまでに、今まで集めた25ダース余りの糸巻きボールを全部使い切らなくちゃいけないし(笑)。