ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ダンロップ65 個別包装ボール

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集めたオンボロヒッコリーアイアンで、「そーっと」ヒッコリーゴルフを楽しむ為にオクで相性が良さそうなボールを集めてみた。
糸巻きボールで、柔らかくて、スモールサイズで、ハーフショットのインパクトの衝撃でヒッコリークラブに破滅的な障害を与えないもの。

そう考えるとまずはマックスフライやレクスター、タイトリストのバラタなどがまず浮かぶ...これらはパーシモンゴルフで以前に使ったことがあったので、糸ゴムの性能の劣化(使用期限)の影響で18ホール同じ性能を保つことはほぼ不可能でも、十分ゴルフは楽しめることは判っていた。
しかし、オクで古い糸ゴムのボールを探していると、いくつか「ダンロップ65」なんて出品物を発見した。
マックスフライより古いのは知っていたが、自分が始めた33年程前には糸巻きボールはマックスフライが普通でダンロップ65はもう使われていなかった。
当時の評判も既にダンロップの65は「飛ばない」「打感が悪い」と聞いていたので、安売りのボールを見かけても買うことは無かったように記憶している。

そんな古い「ダンロップ65」が、ダース単位で安く出品されているのを見て、「ひょっとしてヒッコリーのクラブなら、この古いボールは面白いかもしれない」と、いくつか落札した。
いずれも1000円単位で競合相手も少なく、簡単に落札出来た。

そのボールの一つがこの写真。
一つ一つがまるで高級なお菓子の様に包装されていて、赤いラベルと青いラベルが張ってある。
調べると、赤はコンプレッション90、青はコンプレッション80と言うことらしい。
そして当時はアメリカンサイズ(ラージボール」とイングリッシュサイズ(スモールボール)があり、これはアメリカンサイズ。
驚くべきはその発売当時の値段。
これが使われていた当時のいくつかのエピソードがあるのを発見した。
一つはあの伊豆の川奈ゴルフでの話。
当時キャディーフィーの日当は250円、このボールの値段は300円。
川奈は海に面していて、曲げると崖の下に落ちて行ってとても拾い上げるのは無理。
そして、庶民が日々の生活に追われてやっと生きている時代に、この川奈に来る人々は「庶民に来て欲しくない」と言うことでわざわざ駅を離れた場所に作り、旦那がゴルフをしている間に奥方や子どもは乗馬をして楽しむと言う浮世離れしたお金持ちの方々ばかり。
誰も崖下に落ちたボールに未練は持たなかったそうな。
そのため、キャディーさん達は客が曲げて落とした場所を正確に覚えておき、あとで旦那達にボールを獲りに行かせて回収し、それを半値の150円で打って日銭稼ぎをしていたそうだ....250円がキャディーの日当なのに一つ150円なんだから二つ回収すればキャディーフィーよりいい稼ぎになったとか。
しかし、やがてそれは他の人にも知れ渡り、他の地区の人間も参入してボール拾いで争いが起こったとかいう話も伝わっているそうだ。

そしてもう一つは、この時代より少し後なんだろうけど、初任給が5000円の時代にこのボールの値段は800円だったと言う話。
今の初任給は大卒で20万くらい...簡単に計算してみると、今だったらこのボールは1個3万円以上の値段!
つくづくゴルフってのは贅沢な遊びだったって事だ。
こんなダンロップ65のボールをアメリカンサイズとイングリッシュサイズで3ダース以上手に入れたが...実際にコースでヒッコリークラブで打ったらどんな風に飛ぶんだろう?


あまり性能は期待出来ないだろうけど。
...早く左足を直して、打ってみたい。