ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

何というか...その...の12ダース

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腰の痛みはだいぶ軽くなった...来週にはうちの奥さんをつれて、気晴らしの芝上散歩が出来そうだ。
間も無く来る気温30度以上の季節じゃ間違い無く行き倒れるはずだから、今年前半のゴルフシーズン最後のチャンスとも言えるだろう。

そんな時に、ついオクでポチしちまった品物が届いた。
ダンロップの糸巻きボール、マクスフライ DDHの未使用品12ダース!
12ダースなのに落とした価格は1ダース500円もしなかった...

俺は「残りのゴルフ人生はヒッコリークラブでゴルフを楽しむ」と決めてから、それに合うボールとして数十年前に生産を終わった「糸巻きボール」が最適と判断した。
もちろん「ゴム」というものの寿命が絶対的にあって、どんなに高性能なゴムであっても数十年の時間を変わらずにいられるものは無いということはわかっていた。
だが、試行錯誤の中で、どんなに「柔らかい」ものであっても合成樹脂の「現代ボール」では百年もののヒッコリークラブには「固すぎる」重すぎる」ということを理解した。
(そのために合計10本くらいのヒッコリークラブが犠牲になった。)

糸巻きボールは、「未使用の新品」ではあっても、すでに数十年の時間が経過していて、ボールが作られた当初の性能が残っていることは不可能...しかし、飛距離やスピン性能が相当劣化していてもボールをヒットした瞬間の「打感の気持ち良さ」は変わらないんじゃないかと、俺は感じている。
製造当時より飛ばないのは当然、思った通りに曲げる事や、かっての強烈なスピン性能を求めるのもほぼ無理...でも、ヒッコリークラブの超狭いスイートスポットでヒットした時の快感は、俺には何者にも代え難い。

で、オークションにたまに出る1ダース1000円から2000円の出物をこまめに拾って、目標の20ダースを集めた。
これで、俺は死ぬまでのラウンド用のボールの心配は必要無くなった、と思っていた。
・・・ところが、ラウンド数も少なく、OB・池ポチャで失くすボールはそう多くないのに、ボールの減りは速かった。
それは、例えばカート道で跳ねる、木に当たる、トップする、バンカーから打つ...そんなことでボールには現代ボールでは考えられない程の傷がついてしまうのだ。
酷いものは、1回打っただけでボール全体が変な形に変形してしまうものもあった。
傑作だったのは(写真撮り損ねたのを悔やんだ)、なんと打ったボールが芝を刈っていた機械に巻き込まれて、文字通り「ボロンボロン」になっちまったこと...しかもそのボールは、かっての最高級糸巻きボールのロイヤルマクスフライ !

てなことがあって、いつの間にか手持ちのボールが10ダースあまりになっていた(他人にあげたものも結構あったっけ)。

で、ある時...ふと、思った。
俺が当然のことと考えていた「死ぬまでの分の糸巻きボール」って...ひょっとして手持ちの糸巻きボールがなくなったら、俺って死んでしまうのか?(笑)。

それじゃ、残った糸巻きボールの数が俺の残りの人生の時間...?
嫌だというか、縁起が悪いってビビるよな。
俺はそもそも臆病だけど、残っているボールの数が、あのオー・ヘンリーの有名な短編小説「最後の一葉」みたいじゃない...じゃあ、ひょっとすると、最後のボールをなくした時に俺は死ぬ?

いやいやいや、正直言って俺は「死ぬのはしょうがないけど、あえて死にたいとは思わない」...って感じ。

どうするか?
「そうだ、ボールをもっと補給して、残り人生タイムをもっと増やそう!」
...オー・ヘンリーの「最後の一葉」だったら、「エポキシの接着剤で落ちている落ち葉をみんなくっつけちまえ!」の心境(笑い)。

で、ちょうど安く出ていた糸巻きボールをポチした次第...もちろん高くなったらすぐに諦めるつもりが、あっさり落ちてしまって...やって来ましたの12ダース!

 

う〜ん、これであと十年はゴルフが出来そうだ。

 

「最後の一葉」になるには、ちょっと時間を稼げたぞ(笑)。