ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

川奈ゴルフコース 大島コース(旅ゴルフ2日目)

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「大人の遠足」としては、いろいろな出来事や思いは川奈ホテルでの夜にあったんだけど、それは後日描く機会があるかも知れない。
今回は、とりあえず旅ゴルフの2日目として大島コースをラウンドした事を書いておく。

1日目の富士コースを回って感じたのは、色々なホールに名門と言われるコースのホールに似た感じがある...そして、その理由が富士コースが後に日本を代表するゴルフコース設計家となった井上誠一と上田治が影響を受けた、C・H・アリソンの設計であると言う事。
ここは00コースの何番に似ている、とかxxコースの何番に似ているとか...しかし、それをよく考えてみるとグリーン周りのアリソンバンカーが似ている所為なのが大きいように思える。

「二日目の大島コース」
設計は日本ゴルフ界の祖とも言える、大谷光明。
私はこちらの方が「いかにも大人の遊園地」という気がして気に入った。
富士コース程広く・明るく・南国ムード一杯の「リゾート」という感じではなく、功成り名遂げた男達のプライベートな遊び場、みたいな感じがしてしょうがなかった。
「男達」と書いたのにも理由があって、この大島コースには全てのホールにニックネームがついているんだが、その18番のニックネームが「w&D」...その意味を調べてみると「ワイフ&ドリンク」、つまり「18番が終わると、19番ホールでワイフとドリンクが待っている」という意味なんだとか。
当時、ゴルフをライバルと楽しんでいたのは夫だけ、奥さんはここにあった乗馬クラブなりでリゾートの時間を過ごしていたらしい。

そのニックネームが面白いので順に書いて行こう。
1番「KUMAGAI'S ADVENTURE」
スタートホールは富士コースと同じように、見晴らしの良い高台から海に向かって打ち出して行く。
今の武器なら右目に打ち出して行けば問題ないが、当時のパーシモンに糸巻き、あるいはヒッコリークラブではさぞかし手強かった事だろう。
2番「TAMETOMO PROMENADE」
打ち下しのショートホール。風次第で距離は変わるがグリーンは小さいし芝の目があるのでやっかい。
3番「KAIGAN-DORI」
もう、手作り感満載のホールの眺め。
ここでホールの誘いに我慢出来ずに、私もパーシモンに糸巻きでプレーする事にした。
この方がずっとホールにあっていて面白い。
4番「GOOD-BYE」
よく知られたホールだが、右に打って行けば逃げ場所は十分ある。が、しかし、ここに来たら左の崖ぎりぎりからフェードボールなんてのが美しい...もちろん、失敗すれば「グッド・バイ」...それもいいじゃないか? せっかく来たんだもの(笑)。
5番「MIKAERI ZAKA」
今はカートだからいいよ。
これは写真で見るよりずーっと酷い上り坂...上に行ってから振り返ると「見返り坂」なんて名前を付けたヤツの半分怒っているような気持ちが良く判る...いい長めだ、まったく。
6番「S.O.S」
これは、谷にボールをぶち込まなくちゃいかんでしょ(笑)。
大きめに打てば何の事はないけれど、打ち下しで海風が吹き抜け、当時の高い糸巻きボールでグリーンを狙うのはスリルがあっただろうなあ...それと、グリーンに向かう吊り橋が実に楽しい。
7番「OHTANI'S SMILE」
6番のグリーン横から、谷越えの打ち上げ...頂上を越さなければ、谷ぎりぎりまで落ちて来る。
飛距離のない爺さん達が、パーシモンの時代にここを越えるのは至難の業だったろう...頂上を越えられないで戻って来るボールを見つめるゴルファーを、ニヤリと笑う大谷光明の顔が浮かぶ。
頂上を越えればなんて事無いホール。
8番「OCHUDO-MAWARI
まあ、これが栃木や群馬の山奥のホールなら「とんでもない山岳コースだ」なんて、不満と愚痴タラタラのホールになるんだろうね。
普通のドライバーだと上り坂の途中に突き刺さる...越えると右に流されて行く。
左の山に引っかかるとカートじゃなければ、足がつる。
9番「TOKAIDO」
もう慣れて来て、ああ普通のホールだ、なんて安心するホール。
10番「TERRACE」
昼食をとった後、おおらかに打って行くやや打ち上げホール...9番10番と大人しいホールが続く。
11番「LINKS LAND」
木々の間を通り過ぎると、そこにリンクス風のグリーンがある。
意外と目が強くてグリーンで苦労した。
12番「NORTH COL」
正面に見える急斜面の上にグリーンがある。このホールの風景は「トリッキー」と酷評される某山岳コースとそっくり。
この2打目はグリーンに届かなければ遥か左下まで落ちてくる...その打ち上げは半端無い。
普通の山岳コースとの一番の違いは、グリーンに乗るといきなり開ける青い海...振り返ると登って来たホールの向こうに電車の鉄橋...
13番「VENI VIDI VICI」
なんじゃそれは? という前に、超打ち下しのホールの姿に感動する。
ホールの先に青い海と大島が見え、このコース一番の絶景!
...よくこんなホールを造ったなあ...遊び心と悪戯心が満載の大人子供の遊園地だよ、これは。
「来た!」「見た!」「勝った!」だって?...確かにバーディーはとったけど。
14番「TWIN」
打ち上げショート...何の意味だ?
15番「HODOGAYA」
これまた「保土ヶ谷」なんだか知らないが、よくわからない。
ただコースは極端に右下がりで傾斜していて、かなり左に打ってもボールはみんな170~80ヤード程の右下に行ってしまう。セカンドもグリーン左に打って行かないと恐ろしく右下まで転がって落ちる...次のホールが「地獄谷」だそうだが、こちらの方がそんな感じがしてスリル満点。
16番「JIGOKUDANI」
ちっとも地獄谷を感じないが、以前は今の竹が生えてる部分までボールが落ちやすい傾斜だったとか。
17番「CHAMPS-ELYSEES」
フェウェイに凄いうねりのあるパー5。
頂上を辿って行かなければ、ボールは100ヤードも戻って谷底に落ちる。
やむを得ず2オン狙った方が安全なくらい...カートに迎えに来てもらわなければ谷底から上るだけでエネルギーは尽きる。
18番「W&D」
見えるところの向こうは谷がある。
セカンドも届かなければ谷に落ちる。
ここを終えると、ワイフと一杯が待っている。
今ならワイフを放っておいて遊んでいたら、角を出した鬼と一杯飲む事になるんだろうなあ。

帰り道に、昔の馬小屋がまだ用具置き場として残っている。
昔、ここで遊ぶ男達にとって、ここは千変万化する遊園地だったんだろう。
そんな男達は普段は関東の平地にある、なだらかな地形のいわゆる名門コースでプレーしていたはず。
それが夫婦や同好の士と川奈ホテルにやって来て、休暇にリゾートのゴルフ...ストロークプレーでは敵わなくても、こんな変化のあるコースでのマッチプレーなら運や遊び心でいい勝負が出来た事だろう。

そして、このコースでのプレーは沢山の好プレー珍プレーを生んで、間違いなく最上の酒の肴になったはず。
そう、ここはダイナミックなスケールの悲鳴だけのジェットコースターじゃなくて、浅草の古いジェットコースターの笑いと悲鳴と愚痴と諦めに溢れた大人の遊園地。
いろんなミスを笑い飛ばせる、痩せ我慢が楽しい遊園地。

どちらかと言えば、こっちのコースで糸巻きにパーシモンでプレー、が好きだなあ。