ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

パットを狙いすぎるな

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「パットを狙いすぎるな、大体の方向を決めて打てばいい」...ボビー・ジョーンズ。

ボビー・ジョーンズと言えば、ゴルフ史上に燦然と輝く「球聖」。
「マスターズトーナメント」の創始者

ボビー・ジョーンズは本当にゴルフ史に輝く名手であるが、パットについて多くの面白い言葉を残している。
例えば、「ゴルフと言う不思議なゲームの中で、最も不思議なゲームはパッティングである」と言う言葉。

我々は自分のゴルフを考えてみると、パッティングというのは「オマケ」の様な気がしてないだろうか?
我々のゴルフにとって、ゴルフの主役は「ドライバーショット」と思ってない?
あるいは「自分はアイアンショットがゴルフの主役」とか、あるいは「アプローチが大事」とか。
大半のゴルファーが打つショット数の半分、あるいは半分以上がパットなのに。

ジョーンズは、そのショット数の半分を占めるパットが、実に不思議なゲームだとしている。
どんなに調子が良くても、それが安定しない。
不思議な程よく入る日があれば、翌日には異常な程入らなくなる...ちゃんと練習し、体調も良くて、コースの状態も、なにもかも前日と変えていないのに、だ。
どこも変わらず、変えず、良く入ったときと同じように打っているつもりでも、カップに嫌われる、小さな芝にはじかれる、ほんのちょっと弱い、あるいはほんのちょっと打ちすぎる。
ボビー・ジョーンズでさえ、良く入った日の調子をとどめておけない。

そして、ジョーンズは
「パットのラインを綿密に調べるほど、パットが入るようになるとは思えない」とも書いている。

今は、プロの真似をして大した距離ではないのに歩測する事が流行っている。
ラインを手前から、向かい側から、横から、上から、下から執拗に読む人が多い。
それを、自分がパットを打つ順番になってから始めるから、グリーン上のプレーがどんどん遅くなる。
その上、ちょっと難しいと思われるラインや、競技の時なんかは更に時間をかけて...やっと打つかと思えば、またアドレスを解いてラインを確認するなんてヤツも多い。
それでそのパットが入るかといえば、まず9割の人は外す...どころか、そこから3パット4パットもある。
今のスロープレー問題の原因の殆どが、グリーン上のスロープレーだという事を自覚して欲しい。

ボビー・ジョーンズがこう言う程、パッティングというのは自分の気合いや気迫や願いとは無関係な代物だという事。
むしろそう言う自分の緊張や、気合いや、力みや、恐れが、スムーズな身体の動きを損なって逆にミスを誘い込んでさえいる事を知るべきだ。

暴論だけど、私は「最初のパットは絶対に入らない」と思っていた方が、ゴルフをより楽しめると思う。
大事なのはその次のパットを、楽に入れられるところに運ぶ事。
最初のパットは、グリーンに乗る前におおよその傾斜と距離を見て、カッップの向こう側からラインを見ながらボールに近づき、ボール側からラインを見て終わり。
あとはその印象と記憶を変えずに、「大体あそこだろう」と言う所に打つ。
外れても次ぎに打ちやすい所に行けば、成功。
もし入りでもしたら、ゴルフの神様と、その土地の氏神様と、自分のラッキーアイテムと、自分の惚れた女性(男性)と、自分の守護霊なんかに、最大限誠実にお礼を言う事。
ガッツポーズなんかして自分の実力だなんてのぼせ上がると、もう絶対に入らなくなるからね。

最初のパットはいい加減に打つ。
それできっと、ゴルフが楽しく続けられる。