ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

むかし、むかし

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男と女が、それなりに幸せに暮らしていたとかいないとか。

ある日 男はゴルフに出会った
男はどんどんゴルフに夢中
上手くなる程ゴルフにもっと夢中
休みの日には、暗いうちから家を出て
灯りのついた家に帰って来る

女ははじめ、少しだけ不満を言う
だんだん
時間もお金も足りなくなって
女は男に文句を言う

男はゴルフをやめない
もっとお金と時間がかかる

暗いうちから家を出て
灯りのついた家に帰ってくる
灯りのついた家で 男と女はケンカする

男はゴルフをやめない
もっともっとお金と時間がかかる

男は暗いうちから家を出て
灯りのついた家に帰って来て
いつもいつもケンカをする

ある日
女は家を出る

男はこれでもっとゴルフが出来ると
そんなに悲しい気はしない

男は暗いうちから勇んで家を出て
暗い家にかえってくる
家の灯りは自分でつけて

男はもっともっとゴルフに行って
もっともっと上手くなる
そして
灯りのついていない家に帰ってくる

...ある日男は ふと思う
灯りのついた家に帰れた頃を
それからは
暗いうちから家を出て いくらゴルフを楽しんでても
自分で灯りをつける度 ゴルフをやる気が消えて行く


もうすっかり手遅れになってから
灯りのついた家を思い出す
もうすっかり手遅れになってから
男はゴルフをやめて
無くしたものを思い出す


そういえば
一度だけゴルフに連れて行った時
あんなに喜んでいたっけなあ