ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

どっちを選ぶ?

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ゴルフを始めて7年...と言っても、Fさんにとってゴルフが自分の人生の中でかなり大きな部分を占める様になったのはここ3年くらいのことだ。

Fさんは年は40半ば、子供にあまり手がかからなくなって、やっとゴルフ友達の誘いに普通に応じられる様になった。
近所の練習場に一緒に行くゴルフ仲間は全部で5人。
月一回程度このうち2~3人とラウンドして、2ヶ月に一回くらい旦那とラウンド、3ヶ月に1回それぞれの旦那や練習場仲間やスポーツジムの仲間が集まってコンペをやっている。
Fさんはゴルフ仲間では、腕は一番下手。
子供に手がかかっているうちはゴルフにそれほど熱くなっていなかったので、ラウンドする事自体が楽しくてスコアも飛距離も気になんてしてなかった。
何より、腕はともかくゴルフウェアを着たスタイルは自分が一番良いと思っていたし...(これは、コンペの時に自分と一緒に廻りたがり人が多かったし、うちの旦那も自慢げな態度を隠そうとしなかったから)。

それが、やっとゴルフとゆっくり向き合う時間が取れる様になって来て、変わって来た。
いつも自分が一番飛ばない、一番スコアが悪い、というのが当たり前になっているのが気に食わない。
学生時代からスポーツは嫌いじゃなかったし、足だって速かったのに...
なんでゴルフで自分が一番下手になっているのが当たり前なんだ?

そう思ったのが3年前。
なにしろ飛ばないのが口惜しいので、ちょっと細い自分の身体をジムで鍛えることにした。
食事にも気を使って、まず自分の体力をつける事を一番に考えた。
練習も熱心にやったし、練習場のレッスンプロにも判らないところを何度か教えてもらった。
細かった自分の身体がかなりしっかりしてくるに連れて、飛距離は思ったよりも伸びて行った。
まだ仲間で一番にはなれないけど、「いい勝負」になってセカンドを一番先に打つ事は凄く少なくなった。
スコアもこの3年で、かなりの頻度で100を切れる様になったし、ベストは88まで出た。

その代わりに、ウェアには拘らなくなって動きやすい事を第一に考えたものばかり着る様になった。
いいショットが出て、いいスコアが出る様になって、ますますゴルフ熱が高まって来たというのに...最近ショックな事を夫に言われた。

「おまえ、ゴルフ上手くなったのはいいけど、女を捨てちゃったのか?」

そういえば、最近はコンペの時に自分と一緒の組になった男の人が困った顔をする様になった。
以前は一緒の組になると、(男の人は)みんな競争で色々と面倒を見てくれたのに...最近は、ラウンド中は放っておかれる事が多いなあ...
(そういえば、最近は可愛くないウェアでゴルフやってるし)
それでちょっと気になって、以前着ていた「ちょっと可愛い」ウェアを引っ張り出して着てみようとしたら....まるで着られなかった。
そうか、これを着ていた時より5キロ以上体重が増えたからなあ。

Fさんは、最近クラブが合わないと感じるのでへそくりを貯めて新しいクラブを買う予定だった。
...ちゃんと当たったと感じても球がバラツク事が多くなったので、練習場でレッスンプロに見てもらったら「クラブが負けてますね」と言われた。
紹介された店でデータを取ってみると、明らかにヘッドスピードに対して今のクラブのシャフトが柔らかすぎる、と出た。
それで、今のクラブよりしっかりしたシャフトでクラブを揃える事にして、お金を貯めていた。

このヘッドスピードの向上は、練習でスイングを修正し、ジムで身体を鍛えて速いスイングに耐える身体を作り上げた事が原因...その結果体重が増えて、各部分が太くなってしまったという訳。
以前の様な可愛い服を着るには体重を減らさなくてはダメ...そうすれば、またきっと男の人にも注目されるだろうし、旦那も自慢する様になるかもしれない。
でも、そうすればきっとまた飛ばなくなってスコアも悪くなる様に思う。

どうしよう。
ハードなクラブに買い替えて「女を捨ててゴルフをとる」か、旦那の望む様なダイエットをして「上手くなるのを諦めて可愛い女でいるか」。

さあ、困った。
...どっちを選ぶ?


Fさんは「強くて(太くて)可愛い女」になる第3の道を、今懸命に考えている...