ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

フットジョイの革靴を再び

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ゴルフの道具に対する物欲が急に薄れつつある今日この頃、ふと最近何年も履いていないフットジョイの革靴をの事が頭に浮かんだ。

ゴルフを始めた頃に、いろいろな先輩達に「靴だけは良いものを買え!」とか、「良い靴はゴルフ人生の一生ものだからな」とかさんざん言われていた。
しかし、当時どのゴルファーも認めるゴルフシューズの最高峰フットジョイは、安くて3万円・良いものは5万円以上していた。
貧乏暮らしのイラストレーターにはそう簡単に買えるものではなく、とりあえず安物のシューズを履きながら「やがてはフットジョイの革靴を!」と貯金をしていたものだった。
初めて買ったフットジョイは5万円くらい...それまで自分の人生で履いた全ての靴で一番高かった。
コースで履くのももったいなくて、半年くらいは箱に入れたままになっていた。

そんな「憧れのフットジョイ」も、ゴルフに熱中し競技に熱中しているうちに、ローンで買ったり、奥さんにプレゼントされたり、で6足くらいに増えて行った。
なぜフットジョイが「一生もの」と言われていたかというと、この革製のゴルフシューズは履いてプレーするに従って靴が足になじんで来て、やがて自分の足にぴったりあった靴になる....そして靴底が擦り減っても縫い合わせてある靴底の皮を取り替え続ければ、ずっと履き続ける事が出来るというのだ。
実際に、その頃のベテランゴルファー達はそれぞれ自分流に履きこなした味のある靴を履いていた。

その頃のゴルフ理論では、軽い靴より本格的な重い革製のゴルフシューズの方が歩くのにリズムも取りやすく、ゴルフプレーにも良い影響を及ぼす、なんて言われていた。
今と違って「歩き」が当たり前の時代、ゴルフシューズは革製の登山靴とも比較されるような存在であった。
そんな革製のゴルフシューズの一番弱点は、雨だった。
雨の予報の前夜、どんなにグリースを塗り付けていてもラウンド中に雨は靴の中にしみ込んで来た。
靴下もぐしょぐしょになり足指はふやけ、雨の後の靴の手入れも面倒なものだった。

その後、時代はスパイクレス・プラスチック鋲、軽量で全天候型のスニーカータイプと変わって行き、カートでのゴルフには「歩き」に関しての以前の考えは否定されて行った。
値段も2万円以下が普通で、1万円未満だって十分使える性能のシューズが手に入るようなった。

そんな時代、自分も以前のフットジョイの革製ゴルフシューズは物置に箱に入れて置きっ放しになっていた。

それが、最近聞いたニュースではフットジョイが革製の伝統的なゴルフシューズの製造を2011年でやめた、とか。
ベテランの靴職人も解雇し、もうフットジョイの革製ゴルフシューズは手に入らないんだいう。
それで最近、その革製のゴルフシューズを求めて探している人が沢山いるらしい、とも。

考えてみれば、自分は雨の日はゴルフをやらない...それにカートでゴルフがほとんどだから、昔の革製のゴルフシューズでもプレーにはまったく影響ない。
なにより、愛着があって履いていた靴を、このまま履かないで捨てるのはつらい。
じゃ、という事で物置をひっくり返して残っていたシューズ5足の箱を開けてみた。
...残念な事にあまりに長い事放置していたために、2足のフットジョイは革底が虫に食われてボロボロになっていて使用不可能。
残り3足はなんとか使えそうなので、スパイク鋲をプラスチック鋲に交換する事にした。
ここでまた一つ問題が...フットジョイの革靴用の鋲はインチ規格という事でゴルフショップになく、取り寄せで交換という事になった。
値段も2足で約8000円。
「新しいシューズが1足買えますね」なんて笑われてしまった。

というフットジョイ革製ゴルフシューズ復活顛末記...3足の鋲の取り替えが終わったら、また。

(これも、「昭和のゴルフの遊び方」てなもんで、スコア向上には関係ない話だけど)