ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

セキソーボディのキャンピングカーを手に入れる。

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資金繰りは大変だった。
それでも、すべての貯金をはたき、中小企業向けローンを組んでキャンピングカーを手に入れた。

「本当に手に入れるべき時は今しかない」という思いだった。
子供も一緒に長い旅に行けること、なんとか仕事が続いていること、...それに、その頃ゴルフに対する熱が冷めて来て(ぐれて、とも言う)、ゴルフに対してあまりお金をかけなくなっていた。

ベースの車は、いすゞのトラック...いすゞエルフ1・5トン車、そして4WD。
それにまるで家一軒分くらいの設備を乗っけて、全長5・1メートル、全幅1・9メートル、全高3・1メートル。
高さはあるものの、それほど大きく感じなかった車体だが、中は不思議なことに自分の家の6畳間より広く感じた...「まるで不思議の国のアリスの世界だね」なんて感想が出たほど。

この車を手に入れたことで変わったのは、「時間」からの自由が大きく増したこと。
例えば今までの車であれば、「旅行に行こう」なんて思った時に、まず日帰りか泊まるかを考える。
もし泊まるとしたら、宿泊場所の決定と到着時間の決定が求められる。
子供連れの場合は特に、先に予約をしておかないと不安だろう...当然人数分の宿泊代の用意も必要だ。(電車で行くなら、もっと時間の割り振りがシビアになる)
二泊三泊なんて言ったら、その準備も宿泊代も馬鹿にならない。
普通の家庭では、たとえ時間が取れたって1週間の家族旅行なんて不可能だろう。

それが、キャンピングカーならそれほど無理せずに可能になる。
(勿論それだけの休みが取れる、ということが大前提だけど.)
まず、宿泊代が殆どいらない(オートキャンプ場などに泊まれば、料金はかかる)。
旅の予定を決めないで、行き当たりばったりの旅が出来る。
気に入った所に何時までいてもいいし...いわば、動く別荘の気分で滞在出来る。

このキャンピングカーを買った20年程前には、今のような「道の駅」は無く、コンビニも少なく、日帰り温泉も少なかったので、それぞれのキャンピングカー所有者の情報交換などで「車中泊」に適した駐車場を見つけて、旅をしていた。
アメリカなどではすぐにピストルを持ったのが出て来るので、門が閉まるオートキャンプ場以外は危険で出来ないという車中泊も、幸いなことに日本では十分安全だった。
そうした中で、特に北海道は別世界で、昔から観光地や絶景ポイントに、奇麗でトイレや他の設備の整った公共駐車場が多くあった。
しかし他の地域ではそう言った駐車場は少なく、車中泊というのも知られていなかったので、パトロールの警官に職務質問されたり、暴走族と喧嘩になったり、いろいろと大変だった...(そう言ったエピソードは後日)。

そうそう、この頃極端に少なくなったゴルフのラウンドで、前夜に近くの駐車場に行って、一人宴会をやりながら昔のマスターズなどのビデオを見る、なんて新しい楽しみを発見する。
そして、そのゴルフ前夜の一人宴会が、なんだか本番のゴルフより楽しくなってくる。
この時期から、今につながる「自分の新しいゴルフの楽しみ」が始まった、とも言えるだろう。

勿論、人生を変える、というようなキャンピングカーにもいい所ばかりではなく、困ったことや苦労することも多くあった。
そんなあれこれは、また次回。